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目覚めの日 ページ29

五条side



「…ただいまー」

僕は任務終わりで、医務室に直行した。
それがここ1週間のルーティン。

ルーティンって嫌いなんだけどね。

「‥…また来たのか、五条」

「また来たよ。なに、邪魔?」

「鬱陶しい、と言いたいとこだが、仕方ない」


Aのためだもん。

いつ目覚めるかわかんないし。

その時に、僕は近くにいたい。

「おかえり。助けてくれてありがとう」って言いたい。


「よっこらせ…」

Aの眠るベッドのそばの椅子に腰掛けて、手を握る。

ひんやりと冷たい。

「ねぇ硝子、A、手がすごく冷たいんだけど大丈夫かな?」

「…何回目だ、その台詞。脈はあるし心拍も正常だ。それは末端冷え性のせいだ」

「…そっか」

生きてるならそれでいいんだ。

それから何十分も手を握って、Aを見つめ続けた。



「……そろそろ行かないとね」

「なんだ今日は早いな。」

「恵と悠仁と特訓する予定だから」

「へぇ。」






そう言ってAの手を離し、扉に手をかける。


その時だった。


『……う、…うぅ…ん…』

背後から微かな唸り声。


「「っ!!」」


僕はすぐに振り返って、ベットに駆け寄る。

そこには、瞳を弱く瞬かせるAの姿。


「A!!目が覚めたんだね!よかった!」

ベッドに近寄る。

「・・・おかえり、A。僕を助けてくれてありがとう」

そう言って、抱きしめようと手を伸ばす。






けれど。







『…っ、ご、ごごごめんなさい、ごめんなさいっ!いい子にするから痛いことしないで!ごめんなさい、ごめんなさい…っ』




「…え…」




そこには、大粒の涙で顔を濡らし、小さな手で頭を守るようにしてうずくまったAがいた。

混濁→←はやく、はやく



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シシマチ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでくださって、とてもうれしいです。更新頑張ります! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - わー!!気になるところで止まってらっしゃる;;更新お疲れ様です!めちゃ楽しませてもらってます!!続きも楽しみにしています! (2021年6月14日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 43yomi1さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです。更新頑張ります! (2021年6月11日 17時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - 初めまして!シシマチ様の小説とっても素敵で、思わず惹き込まれてしまいました…!更新楽しみにしてます…!!!!! (2021年6月10日 15時) (レス) id: d2940ba0c0 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 小手鞠さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね(^^) (2021年6月10日 0時) (レス) id: 5733ebb1d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シシマチ | 作成日時:2021年6月3日 21時

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