赤い髪 ページ20
小町side
教室に入って、席に着く。
秤は停学中だから、1人きりの静かな空間。
そこへ、担任の高瀬先生が現れた。
「おう、小町。……今日は一段とすごい髪だな。水で膨らむワカメみたいだ。…あ、それでな、俺急遽任務入ったから、今日は自習な」
『りょうかいです』
そう言って高瀬先生は出て行った。
また、1人の空間に戻る。
私の赤い髪は普段からボリュームがあるけれど、雨が降るとそれが段違いになる。
髪が湿気を吸収して、体積が普段の何倍にもなる。
結うのがたいへんなくらいに。
でも、切ろうとは思わない。
だって、この赤い髪は私の命の恩人だから。
昔、私はよく家の外に出された。
猛暑の日も、雨の日も、雪の日も、関係なく。
そんな日に、この髪が寒さを防いでくれた。
体に巻きついて雨や雪から防いでくれた。
だから、切らない。
命を助けてくれた人は大事にするものでしょう?
教室の空気は冷たく、薄暗い。
私は、しきりに降り続ける雨と、その向こうに広がる曇天を見つめた。
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シシマチ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます。楽しんで読んでくださって、とてもうれしいです。更新頑張ります! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - わー!!気になるところで止まってらっしゃる;;更新お疲れ様です!めちゃ楽しませてもらってます!!続きも楽しみにしています! (2021年6月14日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 43yomi1さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです。更新頑張ります! (2021年6月11日 17時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - 初めまして!シシマチ様の小説とっても素敵で、思わず惹き込まれてしまいました…!更新楽しみにしてます…!!!!! (2021年6月10日 15時) (レス) id: d2940ba0c0 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - 小手鞠さん» コメントありがとうございます!更新頑張りますね(^^) (2021年6月10日 0時) (レス) id: 5733ebb1d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シシマチ | 作成日時:2021年6月3日 21時