小町ちゃんはちょろかわいい

怒ってる？ ページ5

小町side

恵くんに連れられて店を出てから、数分歩いた。

恵くんはなんにも話さない。

『…恵くん…おこ？』

そう問いかけると、立ち止まった。

そのまま振り返った恵くんは眉間にシワを寄せて、険しい顔をしていた。

「…激おこです…」

私の手を握る恵くんの手に力がこもった。

「…‥あんたは、何回言えば、直るんですか、そのちょろい癖。…俺が、あの場にいなかったらどうなってたか、わかりますか？」

『……えと、おじさんにご飯奢ってもらってハッピーな気持ちになり…ます？』

「…本気で言ってんのか…？ あんたは、知らない男に髪を触れられて、さらにはそのままお持ち帰りされるとこだったんですよ⁉」

声を荒げた恵くんに、ちょっとびっくりした。

『お持ち帰りってどこに？わたしテイクアウトされるの？』

「そうです。食べられたくないでしょう？」

それは困る！
まだ死にたくない！

「はぁ… もう知らない人についていかないって約束できますか？」

『…できます、多分』

「多分？」

『できるように頑張ります！精一杯！』

「…はぁ、ほんとに、頼みますよ、小町先輩」

そう言って、恵くんは天を仰いだ。

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