おいしいね ページ16
狗巻side
合同の訓練が終わって、今はみんなで昼ごはんを食べている。
高専には食堂があるが、今日はお休み。
だから、コンビニに行って、各々食べたいものを買った。
僕はツナマヨのおにぎり。
隣には、メロンパンを口いっぱいに頬張るA。
ハムスターみたいだ。
『おいしいね、棘』
そう言ってこちらに笑いかけるAにドキッとした。
僕の口元には、術式関係の奇妙なアザがある。
それで、みんな僕の口元を見ると、気持ち悪いって言ったり、おかしなものを見るような目をするから、ずっとマスクで隠してきた。
でも、Aは違った。
僕の口元を見ても、変な顔をしなかったし、何も言わなかった。
初対面の人は、僕の口元にしか目がいかないのに、彼女は、真っ直ぐに僕の目だけを見て、笑いかけてくれた。
それだけじゃない。
僕のおにぎり語を必死に理解しようとしてくれて、僕が何を言いたいのかちゃんと汲み取ってくれる。
つまり、僕はAに惹かれている。
『棘は、ツナマヨが好きなの?』
「しゃけ。…たかな?」
『私はね〜、おにぎりは1番シャケが好きだよ。あっ、あといくらとこんぶと、おかかも好き!』
「こんぶ、ツナマヨ」
『あ〜、そっかぁ、棘は魚卵嫌いなのか〜。たしかにいくらと苦手な人多いよね』
「しゃけ」
『あ、この間ね、おいしいおにぎり屋さんに連れてってもらったんだ〜』
「…たかな?」
『え?誰に連れって貰ったかって?山田さんだよ』
「おっ、おかか!こんぶ、つなつな!」
また、知らない人についていったのか。
『大丈夫だよー、綺麗な女の人だったし!』
「おかか!」
そういうもんだいじゃない!
『それでね!そこのツナマヨのおにぎりがとっても美味しくてね!こんど一緒にいこーよ!』
嬉しい。Aが誘ってくれるなんて。
「しゃけ!」
「あー、ちょっとなに2人で楽しんでんすか!あたしらも入れてくださいよー!」
「おにぎり屋かぁ、たまにはいいな」
「パンダは入れねぇだろ」
「嘘だろー?」
「テイクアウトにしましょう」
おいしいね、A。
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シシマチ(プロフ) - テーマソングさん» コメントありがとうございます!修正しますね(^^)頑張ります (2021年6月2日 16時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
テーマソング - 面白いです!ただ真人の一人称は僕じゃなく俺だったと思います!面白かったのでこれからも頑張ってください! (2021年6月2日 15時) (レス) id: 895c90ff24 (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - いくらのお寿司さん» あ!…ほんとだ…。すみません変換違いでした。ご指摘ありがとうございます。すぐに直しますね(^^) (2021年5月30日 8時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
いくらのお寿司(プロフ) - 出張?の時のです。 (2021年5月30日 7時) (レス) id: e58b6951ff (このIDを非表示/違反報告)
いくらのお寿司(プロフ) - コメント失礼致します。乙骨優太。ではなく、乙骨憂太ですよ。憂が出てこないときは。ゆううつ。って書けば憂は出てきます (2021年5月30日 7時) (レス) id: e58b6951ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シシマチ | 作成日時:2021年5月27日 22時