強さとは ページ31
日向サイド
『藍ちゃんには藍ちゃんの強い所があって、情けないなんて思う必要はないのよ。未確認のネイバーに、ひとりで向かっていったことも藍ちゃんの「強さ」なんじゃないかしら？ねぇ、藍ちゃん』
「……Aさん、…ありがとうございます。」
藍ちゃんは目の端にうっすらと溜まった涙を拭った。
いつもの澄んだまっすぐな瞳に戻り、表情に曇りはなかった。
でも藍ちゃんを完璧に励ますにはもう一押し。
私が色々言うよりは、あの子に頼んだ方がよさそうね。
『藍ちゃんちょっとまっててね。』
席を離れ、電話をかけた。
相手はもちろん。
「もしもし、烏丸です」
『あ、とりまるくん？日向です。今大丈夫かしら？』
烏丸京介君だ。
「Aさん？珍しいすね俺に電話なんて。今大丈夫すよ。」
『ありがとう。あのね、』
私はとりまるくんに事情を話した。
藍ちゃんが元気ないことを。
「…なるほど、俺が木虎を励ましてやればいいんですね？」
『えぇ。励ますっていうよりかは応援してあげてほしいの。』
「任せてください。木虎にはこれから面倒をかけるつもりなんで」
ベンチに戻り、藍ちゃんに携帯を差し出す。
「…？なんですか？」
『いいからいいから』
怪訝そうな顔で携帯を耳元に持っていく。
その瞬間、藍ちゃんの顔が輝いた。
「かっかかかからすま先輩！？なんで、え、？」
「よお、木虎。元気か？」
「げげげげんきです！烏丸先輩こそお元気ですか！？」
「俺は超元気。…木虎、あんまり無理するなよ。学校の成績も優秀で広報活動もしててその上A級でってすごい実績の裏には、お前の血も滲むような努力があることはみんな知ってるから。もちろん俺も」
「…烏丸先輩…」
「その中で悩みもたくさんあるんだろうけどさ、木虎の周りには嵐山さんとか時枝とかAさんとか頼れる人がついてるだろ？だから、困ったら相談しろよ。あの人達はみんな、木虎の相談をめんどくさいって思ったりしないから。俺もできることなら力になるぞ。一応稽古つけた仲だしな。」
「……はい。ありがとうございます。本当にありがとうございます！」
「まぁ、木虎のペースで頑張れ。所属は違うけど応援してるよ。」
「ありがとうございますっ！私、もっと頑張ります！」
電話は切れた。
パーフェクトよとりまるくん。
「Aさん、本当にありがとうございました。」
藍ちゃんは深々と頭を下げて、上機嫌で帰っていった。
恋する乙女は可愛らしいわね。
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ろいど(プロフ) - 一気読みさせて頂きました！！更新楽しみに待ってます！！ (2022年3月4日 21時) (
レス) @page48 id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
理玖 - 東隊や鈴鳴第一と絡ませて欲しいです。 (2021年12月16日 21時) (レス) @page48 id: 72df48888f (このIDを非表示/違反報告)
化粧した亀 - 〜でしょか。ではなくでしょうか。でした。誤字りました。（笑）すみません (2021年11月8日 22時) (レス) id: f6208bd07c (このIDを非表示/違反報告)
化粧した亀 - 全て読ませていただき、すごく面白かったので即高評価させて頂きました。リクで緑川くんと、那須隊との絡みをお願いしてもよろしいでしょか。 (2021年11月8日 22時) (レス) id: f6208bd07c (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - そらさん» そうおっしゃっていただけて嬉しい限りです。リクエストありがとうございました。1ヶ月以上もお待たせしてしまって申し訳ありませんでした。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年10月28日 11時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シシマチ | 作成日時：2021年5月27日 14時
