上司を殴った。 ページ17
影浦side
昔の話だ。
といっても数年前。
俺達影浦隊がまだA級にいた頃の話。
俺は会議室に呼ばれていた。
任務の件で相談事があると言われたから。
珍しく上層部全員が揃っていて、その中で本部長と任務の打ち合わせをしていた。
それ自体は数分で終わったのだが、その後に、広報のジジイがネチネチと小言を言い始めた。
まるで、そっちが本命だとでもいうように。
俺のガラが悪すぎてボーダーの品位を落とすだとか、目つきをどうにかしろだとか。
しまいには、ゾエとかユズルとかの話にもなった。
俺はどう言われてもいいが、仲間のことをとやかく言われるのは許せない。
「おい、おっさ」
ひとこと申そうとした時、黙って聞いていた本部長が。
「根付さん、そこら辺にしときましょう。」
と、一喝してくれた。
それでジジイも黙ったが、そこで終わりじゃなかった。
口では言わない代わりに、いろんな感情を俺に突き刺してくる。
嫌悪感。
不快感。
怒り。
グサグサと。
そのあまりの量に、我慢できなかった。
気づけば俺は、ジジイを殴っていた。
ジジイはよろけて尻餅をつく。
俺はざまぁみろ、と思った。
「な、なにをするんだね！キミィ、自分が何をしたか分かっとるのかね！？」
「オイ、影浦隊員、上司を殴るとは…。これは重大な隊務規定違反だぞ。」
その言葉を聞いて。
ざまぁみろと思ったのは一瞬で、すぐに後悔した。
上層部全員が、俺を異形の目で見る。
それがなぜだかとても怖かった。
「…あ、」
その時だった。
『まぁ！大丈夫かしら！？あなた、血がでているわ！』
1人の女が俺の元へ駆け寄ってきたのだ。
その人は、俺の手を取って。
『彼、怪我をしたみたいなので私医務室に連れて行ってきますね。』
「ちょ、、ちょっとまちなさい日向君！殴られた私より殴った方を心配するとは何事かね！？」
『…あら、殴られただなんて大袈裟な。子供の拳なんて猫パンチみたいなものでしょう？』
「…な、」
何かいいたげなジジイを背に、日向と呼ばれた女は俺の手を引いて歩き出した。
『よし、これで大丈夫。痛くないかしら？』
「…はい。ありがとうございます」
『いいのよ。まったく、根付さんにも困ったものね。わかっててやってるんだもの。』
「…わかってる？」
『…あぁ、あなたのサイドエフェクトのことよ。』
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ろいど(プロフ) - 一気読みさせて頂きました！！更新楽しみに待ってます！！ (2022年3月4日 21時) (
レス) @page48 id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
理玖 - 東隊や鈴鳴第一と絡ませて欲しいです。 (2021年12月16日 21時) (レス) @page48 id: 72df48888f (このIDを非表示/違反報告)
化粧した亀 - 〜でしょか。ではなくでしょうか。でした。誤字りました。（笑）すみません (2021年11月8日 22時) (レス) id: f6208bd07c (このIDを非表示/違反報告)
化粧した亀 - 全て読ませていただき、すごく面白かったので即高評価させて頂きました。リクで緑川くんと、那須隊との絡みをお願いしてもよろしいでしょか。 (2021年11月8日 22時) (レス) id: f6208bd07c (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - そらさん» そうおっしゃっていただけて嬉しい限りです。リクエストありがとうございました。1ヶ月以上もお待たせしてしまって申し訳ありませんでした。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年10月28日 11時) (レス) id: 6141eb3956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シシマチ | 作成日時：2021年5月27日 14時
