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ころんside

幸せな時間も、永遠には続かないものだ。それが“夢”とかいう空想上の世界ならなおさらである。

僕は頭を掻きながら目覚まし時計に手を伸ばした。
「7時、か」

鉛のように重い身体を起して制服を手に取る。
4月から入学したこの学校。前の担任や友人には「お前ならもっと上の学校に行ける」と散々言われたけれど、自分の意思を貫き通したのは訳がある。

「おはよう、A」

机上の写真に写った同い年の少女こそ、僕がこの学校に通う理由。
幼少期から行動を共にしていた君とこんなところで離れたくなかったのだ。僕の知らない君がいると考えただけで気が狂いそうだ。


僕がこんな感情を抱いているだなんて、Aが知ったらどんな顔をするだろうか。
驚くだろうか、笑って許してくれるだろうか、怖がっていなくなってしまうだろうか。
僕が想像したAはコロコロと表情を変える。どんなAでも素敵だと思った。

着替え終わった僕は鼻歌を歌いながら支度を済ませていった。
さっさと終わらせて、今日も君を迎えに行こう。
君が今日という日に初めて出会う人間は僕じゃなきゃいけないでしょ?



『いつも迎えに来てくれなくってもいいのに、でもありがとう!』
「だってA、僕がいないと遅刻しちゃいそうなんだもん。
それにほら、小さい頃から僕たち毎日一緒に登校してるでしょ?もう日課みたいなもんだよ、顔洗うのと同じ。」

ありきたりな通学路
『何それ』なんて言って笑う君は今日も僕に騙されている。

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設定タグ:すとぷり , ころん , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ne6 | 作成日時:2023年6月24日 21時

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