未来編【邂逅】 ページ7
そして僕らは、また出会ってしまった。
それは偶然か、はたまた必然なのか。
土砂降りの夜、チカチカする都会の明かりに照らされて
また…出会ってしまったんだ。
___「おかえり、僕の_____」
これは前作から二年後の物語。
監/.きん/生/活【未来編】開幕
▽
Aside
『…』
重い瞼を僅かに開いて、目覚ましを止める。
時刻は午前7時、起きねばまずいことなんて頭では分かっているものの身体はまだ休息を求めているようで動こうにも気だるさで動けずにいた。
そうこうしているうちに、分刻みで設定された目覚ましは再び大きな音を鳴らすもんだから、私の朝は今日もスッキリとしない目覚めとなってしまうのだ。
身支度を済ませ、靴を履く。するとリビングから母の声がした。
なんでも今日は夜から酷い豪雨になるそうで、折り畳み傘を持っていけ、と。
寝起きであまり回らない頭で『はぁい』と気の抜けた返事を返すと私は家を後にした。
▽
___なんて平和な朝なのだろう。
揺れる木の葉と鳥の声、豪雨になるとは考えられない程の晴天。
すれ違う高校生、犬を連れて歩く人。
学校へ向かう私。
普段と何も変わらない、満たされた朝だ。
平和に満たされた、毎日だ。
・
「来週のテスト_」「試験範囲は_」
今日も学校ではテストに向けた対策授業が行われていた。
勉強は得意ではないけれど、テストくらいは頑張らなきゃ。そう思ってノートを取ってはいるものの理解出来ているのかと問われると少々苦しいものがある。
不意に窓の外を眺める。
『(あ、雨……お母さんが傘持ってけって言ってたっけ…あれ、持って来てないや…)』
・
下校時間になっても降りやまないどころか一層強くなる雨。
少し待てば止むかななんて呑気に考えていた数時間前の私に言ってやりたい、「今のうちに帰った方がいいぞ」と。
最終下校の18時、こんな天気に残っている生徒は私くらいだ。
濡れて帰る覚悟を決めて昇降口に向かう。天気のせいもあり外は真っ暗だ。
土砂降りの中屋根のあるところまで走って、また屋根のあるところまで走ってを繰り返した。
濡れた髪と肌に張り付いたワイシャツが気持ち悪くて、でもそんなことを気にしている場合ではない。
再び走り出そうと踏み込んだその時だった。
__「傘、忘れちゃったの?」
よく、聞いた声だった。
暗がりで顔が見えない。でもきっと間違いない。
嫌なほど記憶に焼き付いた彼を、私は一日でも忘れたことなんてないのだから。
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シア - この作品マジで面白いです!最新待ってます!頑張ってください! (7月5日 20時) (レス) @page7 id: 86720ec8e4 (このIDを非表示/違反報告)
いつき - 初こめ失礼します!前回も今回もマジで神作品ですね!!!続き待ってます! (6月18日 11時) (レス) @page7 id: dd4bda34a9 (このIDを非表示/違反報告)
れんゆ - コメント失礼します!続編ありがとうございます!前作ももちろん続きが気になってスクロールが止まりません笑未来編楽しみにしてます!無理せず頑張ってください!応援してます! (2022年6月27日 16時) (レス) @page6 id: a2d8cba407 (このIDを非表示/違反報告)
あるる(プロフ) - こんにちは!今日初めてこの作品を読みました。続きが気になります! (2022年1月13日 17時) (レス) id: e612c680c8 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - コメ失礼します!この作品はおすすめから見つけたのですが、途中まで読んでから面白いと思い前作へ飛んでみると、自分が読んでいた小説だったのでびっくりです(笑)更新頑張ってください! (2021年7月23日 13時) (レス) id: e9220ccf72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ne6 | 作成日時:2021年7月19日 1時