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風が冷たくなってきた秋。
おやつ時を過ぎて客足が落ち着いた午後5時の店に、カランとベルの音が響いた。
｢いらっしゃいま、せ…｣
やって来たのは小柄で細身で、透き通るように白い肌が輝く可愛い女の子。
ふんわり巻かれたボブカット、紺色の上品なワンピース、丸くて大きな茶色い瞳。
あ、これが一目惚れか。
心臓の真ん中がぎゅうっとなって、目が合った瞬間呼吸を忘れた。
『あの、今日友人の誕生日で…。おすすめのケーキってありますか。友人のと私の、一つずつ』
声まで綺麗だなんて、反則級だよ。
｢あ…っと、そう、ですね。ひとつは苺のショートケーキですかね。やはり定番ですし、程よい甘さとふわふわのスポンジが最高です。
あとは、この、宝石タルト。僕は一番好きなケーキです。みずみずしいフルーツがたっぷりで、何より見た目が可愛いでしょう、キラキラしていて｣
『わ、本当だ…！そしたら、その2つで』
｢はい、ありがとうございます｣
ふんわり笑った彼女の大きな瞳が、キラッと虹色に輝いた気がした。
知りたい。
なんて名前？普段は何してる？どんなものが好き？恋人はいる？
さっき会ったばかりの君のことを、もうこんなにも知りたい。
『素敵なお店ですね。イートインもできるんだ』
｢ありがとうございます。午後３時ごろですと、イートインスペースはほとんど満席になりますよ｣
『へえ、人気のお店なんですね。また必ず来ますね！ありがとうございました！』
そう言って店を出ていった彼女は、夕焼けの並木道を歩いていく後ろ姿まで綺麗だった。
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リリコ(プロフ) - rriさん» 返信が遅くなってしまってごめんなさい(泣)そして、温かい感想をありがとうございます！これからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年6月19日 17時) (
レス) id: 022271aac7 (このIDを非表示/違反報告)
rri(プロフ) - ジェノくんのお話震えました…！最高すぎますヽ(；▽；)ノこれからも楽しみにしております！ (2021年4月30日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリコ | 作成日時：2021年2月17日 21時
