__ ページ35
・
『あとロンジュン、よくFireflies歌ってるし』
｢えっ｣
『気づいてなかったの？ここにいる時よく口ずさんでる。Brighter than the fireflies〜って。フローライトってね、日本だと蛍石って呼ばれるんだよ』
Fireflies。
俺が一番好きな曲だ。
前向きで優しいストーリーと爽やかなサウンドがお気に入り。
"認めてもらうことは難しいけど、僕たちは夢を追い続けよう"
"僕は君が進むための力になるよ"
"その道を照らすよ"
"そばにいるよ"
夢を追い続ける。
あいつらとどこまでも音楽をやってくって決めたあの日を、忘れたことは無い。
俺の書いた歌とあいつらの音で、世界を見てやろうって誓ったあの日。
俺があいつらの道を、あいつらが俺の道を照らしてる。そばにいる。
｢………Aヌナ、ありがとう｣
『ん。ロンジュン良い奴だし、何とかなるって！』
｢な、なんか急に頼りない｣
『んはは』
3月の肌寒い風がヌナの短い髪をさらって、楽しくなりかけた雰囲気がぐっと切なくなる。
『…………明日さ、』
｢うん？｣
『明日、卒業式なんだ。だからここで会うの、今日で最後』
｢そう…だっけ。明日だっけ｣
『うん、明日。だから、今日来なかったらどうしようかなって思ってた。最後はやっぱり会っておきたかったからさ』
そう言ってゆるく目を細めて、優しく眉を下げるヌナ。
彼女に俺があげられるプレゼントはこれだけだ。
｢ヌナ、4分間だけ俺にちょうだい｣
『ん？』
｢卒業おめでとうコンサートするよ。ギター持ってないからアカペラだけど。Fireflies、ちゃんと歌う｣
"覚えていて、君は絶対独りになることはない"
"僕らは奇跡を起こせるんだ"
"さあ、今輝こう"
"君は知ってるでしょ、輝くことはただ愛だってこと"
そう、俺たちはいつだって愛で輝く。
それはただ家族や友達としての愛かもしれないし、恋人同士のような愛かもしれない。
ヌナは…ヌナにとっての俺は、どんな存在だったんだろう。
俺にとってのAヌナは、ただ恋しくて愛おしい人だったよ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリコ(プロフ) - rriさん» 返信が遅くなってしまってごめんなさい(泣)そして、温かい感想をありがとうございます！これからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年6月19日 17時) (
レス) id: 022271aac7 (このIDを非表示/違反報告)
rri(プロフ) - ジェノくんのお話震えました…！最高すぎますヽ(；▽；)ノこれからも楽しみにしております！ (2021年4月30日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリコ | 作成日時：2021年2月17日 21時
