__ ページ21
・
『ハッピーバースデー、テン』
｢お〜！！なんかすごそう！！！｣
青いベルベットの箱を丁寧に扱う姿に笑みがこぼれる。
テンが開けたその箱の中身は、ゴールドチェーンに2種の宝石を並べたジュエリー･アンクレット。
｢わあ、すごい…！｣
『これね、ブレスレットじゃなくてアンクレットなの。テン前から欲しがってたでしょ』
｢A、覚えててくれたんだ。ありがと、すっごい嬉しい。しかも超〜おしゃれじゃん｣
『気に入ってもらえたみたいで良かった』
｢気に入った！！けど、これマジの宝石でしょ。付けるの怖い、飾っておこうかな(笑)｣
『え！？いやまあ、したいようにしていいけど(笑)』
私がプレゼントしたアンクレットは、アビシニアンの瞳の色をあしらったものだ。
テンによく似た、高貴でいたずらっぽくて愛くるしくてセクシーな、美しい猫の瞳。
｢ねえA、この緑のやつって、この前教えてくれた...グリーントルマリン？ってやつ？｣
『よく覚えてるね。でも残念。すごく似てるけどこれはエメラルド』
｢あれ〜、間違えた(笑) じゃ、こっちは何？｣
『これはヘーゼルアンバー。ブラウンが強く出てる琥珀のこと。こういう風にファセットカットが施されていると琥珀っぽく見えないけどね』
｢これ琥珀なの！？すごっ！テン、この色好きだな｣
『綺麗でしょ、私も好き。普通の琥珀よりももっと綺麗だと思うことがある』
｢...あ、このチェーン、タグだけ色が違う...銅？｣
『わあ、大正解！気づいてくれると思わなかった！どうしても銅を使いたかったからプレートにしてみたの。可愛いでしょ』
｢......え...？これ、Aが作ったの...？｣
『そ、そうだけど...そんなに驚くと思わなかった。まさか私の仕事が何か忘れた？』
｢いや、ジュエリーデザイナーでしょ。だけど、だって、こんな綺麗なの、ただの誕生日なのに...｣
『ただのって、大事な恋人の誕生日だよ。それに私たち、もうすぐ付き合って4年になるでしょ。テンへの感謝と記念の品があってもいいかなって』
そう、私たちは来月4年記念日を迎える。
一緒に過ごすことは出来そうにないけれど。
テンはしばらくアンクレットを眺めてからそっと箱にしまい、その長くて綺麗な指で私の左耳を愛おしそうに撫でた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリコ(プロフ) - rriさん» 返信が遅くなってしまってごめんなさい(泣)そして、温かい感想をありがとうございます！これからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年6月19日 17時) (
レス) id: 022271aac7 (このIDを非表示/違反報告)
rri(プロフ) - ジェノくんのお話震えました…！最高すぎますヽ(；▽；)ノこれからも楽しみにしております！ (2021年4月30日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリコ | 作成日時：2021年2月17日 21時
