__ ページ20
・
｢ただいま〜｣
少し鼻にかかったような可愛い声に高揚する心を隠し、さっと髪を整えて玄関へ向かう。
『おかえりなさい』
｢ただいま。いい匂いするね｣
『うん、ごちそうにした』
小洒落たリュックサックと上着を預かって綺麗にソファに置く。
私の後ろをついてダイニングに入った彼をちらりと見ると、テーブルの上に並んだたくさんの料理を見て目を輝かせていた。
｢ねえ、テンの好きなものばっかりじゃん！｣
『そりゃそうだよ、テンの誕生日だもん。ケーキも作ってあるけど、それは後でね』
｢ほんとに！？うわあ、A大好き！｣
ストレートな言葉にちょっぴり照れる。
私もテンに素直な気持ちを返せているといいんだけど。
｢A、天才なんじゃない？お店開いちゃう？｣
『大袈裟だなぁ(笑) 美味しいなら良かったけど』
かなりの量のディナーをぺろりと平らげたテン。まだいける？と聞くと、余裕！と返ってくるからすごい。こんなに細いのに、どこに入っていくんだろう。
ケーキも食べ終わって洗い物も終わった午後11時。
ソファに座っていたテンの方へ向かうと突然手を引かれて、あっという間にテンの腕の中に体が収まった。
｢ヌナ〜？｣
思い切り甘えたい時だけ、テンは私を｢ヌナ｣と呼ぶ。
テンより3ヶ月だけ早く生まれた私に、とびきり甘い声と表情で話しかけてくるのだ。
『な、なに？』
｢プレゼントは〜？テン、ずっと待ってるんだけど〜｣
きゅるん、という効果音がつきそうなくらい可愛こぶってそう言うテンに、思わず吹き出してしまった。
『あはは、テン、ずっとそわそわしてたのって、』
｢そうだよ、いつくれるのかな〜って｣
『ふふ、分かった分かった、持ってくる』
テンの腕から抜け出してベッドルームからプレゼントを取って来て、待ちきれないというように差し出された両手にポンと乗せた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリコ(プロフ) - rriさん» 返信が遅くなってしまってごめんなさい(泣)そして、温かい感想をありがとうございます！これからも楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2021年6月19日 17時) (
レス) id: 022271aac7 (このIDを非表示/違反報告)
rri(プロフ) - ジェノくんのお話震えました…！最高すぎますヽ(；▽；)ノこれからも楽しみにしております！ (2021年4月30日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリコ | 作成日時：2021年2月17日 21時
