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錦「どーしような、これから」

「え?」

錦「え、ってなんやねん」

「てっきり何か計画があるのかと」

錦「・・・しゃーないやん!時間なかってんから!!」





要するに無計画で飛び出してきてくださったようだ。それも少し嬉しく感じる


亮さんがわたしの手をぎゅっと握った

骨骨しい手から伝わる体温は
生きていることを教えてくれた



錦「・・・正直、すぐバレると思うねん」

「・・・そうですか」

錦「うん。もう今頃村上くんにも伝わってるはずや」

「・・・」

錦「あ・・・そっか、会ってへんもんな」




信五さん、
最後の晩の悲しそうな微笑みが
わたしの記憶の一番新しいあなただ。


どんな気持ちだったのか
わたしにはわからない



「・・・で。どうしますか」

錦「あ、うん。えっと、選択肢は三つやと思う」

「はい」

錦「一つは、このまま野宿で乗り切ること。二つはすばるくんの泉に戻ること。これは・・・危険やと思う」




最後に、亮さんは言った




錦「マルとヤスのとこ、行く」

「は?」

錦「俺的にはこれやねんけど」

「いや、なんで」

錦「危険な賭けやけど、うまくいけば一番安全や」

「でも・・・」

錦「信じてほしい」




亮さんの目はまっすぐで
吸い込まれそうだった

握られた手に視線を落とす

きっと。大丈夫。

わたしには亮さんを信じることしかできないから、精一杯、それを全うしよう




「はい。信じます」

錦「・・・ありがとう」





月は半分欠けていた
でも明るくて
雲のない空にはとても
眩しすぎるくらいだった。



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猫彦(プロフ) - ゆうとさん» コメントありがとうございます。村上さんとしたい事をぎゅっと詰め込んだ作品です笑 読んでいただきありがとうございました。 (2018年2月20日 22時) (レス) id: 994f2131bb (このIDを非表示/違反報告)
ゆうと(プロフ) - はじめまして。ヒナちゃん特有の大人の色気が存分に発揮されて切なくもほっこりした素敵なお話でした。横猫にさらにほっこり!そして最後のすばるくんの位置づけにさらにキューンってなって満足感いっぱいです。違うお話も楽しみにしますね! (2018年2月20日 21時) (レス) id: 8103d530f2 (このIDを非表示/違反報告)
猫彦(プロフ) - ruruさん» まさかruruさんに読んで頂けたとは…驚きました。ありがとうございます。まだまだ至らない点も多々ありますがまた楽しんでいただけるような作品を書けるように精進します。本当にありがとうございました。 (2017年9月30日 21時) (レス) id: 9278fa5177 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読ませて頂きました!久々にこんな一気読みをするお話に出会えました。ファンタジックな中に大きなテーマ、素晴らしいです。また読み返したくなるお話だと思いました。ありがとうございました! (2017年9月29日 2時) (レス) id: 26d316704d (このIDを非表示/違反報告)
猫彦(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます。読みやすいでしょうか…自分では癖がある文だな、と反省していたので安心しました笑 時間をいただくとは思いますが、また読んでいただけたら幸いです。 (2017年9月25日 18時) (レス) id: 9278fa5177 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫彦 | 作成日時:2017年9月10日 17時

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