遠い日の中に消えた人 中 ページ16
『私と海斗くんの治療のクールが多少期間や日にちは前後しますが、ほとんど同じみたいで。
どちらかが入院すると遅れてもう片方が入院するみたいな。
そんなこんなで家でのことだったり、お互いいなかった時のことを話したりしていて。
私が将来女優さんになりたいことを話すと、
海斗くんは本当に嬉しそうに「Aちゃんならきっとなれるよ！絶対叶う！」と
背中を押してくれて。そこから私は絶対なるんだと思って、自己流ではありますが練習をしていました。
私たちは一通りの治療を終えて、内服しながらの通院になることになり、
その時にまだ携帯も持てていなかったので、海斗くんと住所と電話番号を交換しました。
離れ離れになるのは悲しかったですが、連絡は取れるから。長いおやすみの時に会いに行こう。
そう思って日常生活を送っていました。
定期的に通院し、再発がないか検査してもらい、
休みの日には手紙を書いたり、月に一回は電話をしてお互いに現状報告をしていて。
もちろん学校も復帰し、友達もいましたが、やっぱり一番大切だったのは海斗くんだったと思います。
でも、それは長くは続きませんでした。段々と海斗くんから来る手紙の間隔が空き始めました。
最初は私も不思議でしたが、中学校になったばかりだった私は忙しさもあってか段々とそう思わなくなりました。
そんな中ある日母から「海斗くんと電話はお休みしたらどうかな」と言われました。
子供の頃の私は「何でお母さんがそんなことを言うの」と思っていましたが、
今思うと、もう海斗くんは電話をする状態ではなかったんだと思います。
そして、中学２生の冬のある日、ちょうどこの時期です。
母から「海斗くんが、亡くなった」
学校から帰ってきてリビングに入った時に青ざめた表情の母がそう静かに言いました。
…そこからは１−2年くらい実は記憶が飛び飛びなんです。
気づいたら私は高校生になっていて、命日に海斗くんのお家に行った時のことです。
海斗くんのお母さんから「これ、Aちゃんに渡してねって言われていたんだけれど私たちがまだ心の整理がついてなくって部屋も片付けれてなかったの。つい最近少しずつ片付けしていた時にこれを見つけてね。」
そう言って渡されたのは一通の手紙でした。
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るんば(プロフ) - みけねこさん» みけねこ様：コメントありがとうございます。見てくださってる人がいらっしゃったんだと思って感激しています。笑 これからも主人公の変わらない性格で突っ走っていきたいと思います！ (2019年6月30日 20時) (
レス) id: 68dc1c2eea (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - スゴく楽しく読ませてもらってます。主人公のドジな事も仕事に真剣な所も楽しいです。更新楽しみに待ってます。 (2019年6月28日 18時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るんば | 作成日時：2019年6月27日 20時
