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オーディション12 ページ13
渋谷side
正直ゾクッとした。
さっきまでそこにおった子とは全くの別もんや。
空気も変わった。
豊かとは全く言えんような体なのに、華奢な体に透き通ったような白い肌、長い腕、長細い指、
俺が今まで見てきた体ん中で1番綺麗な体やった。
そんな姿で、椅子に座っていた大倉の目の前に立ち、
そっと両手で大倉の頬を包んだかと思うと、
今まで俯きがちだった顔を上げ、少し微笑み、
「今までありがとう。これで終わりましょう。
さよなら。」
柔らかいけれどよく透き通る声で言ったあいつの左目の中央から、ツーっと一筋の涙が流れていた。
俺はそんな大倉や錦戸よりドラマや映画とかの露出は少ないから、そいつらよりは詳しくないかもしらんけれど、
あいつは化けもんや。
いや、まだ荒削りやと思うけれど
いつかきっと化ける日がくる。
他の4人も目を見開いたまま、動きもしない。
口を開けとるやつもおった。
大倉に至っては放心状態や。
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作者名：るんば | 作成日時：2016年12月10日 13時
