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手紙 ページ38

阿久津side

僕は観世先輩に手紙を書いていた。どうしても戻ってきて欲しいから。
また一緒に仕事したい。

こんな僕でも愛してくれた。こんな僕にも優しくしてくれた。
わがままを言っても嫌な顔を1つもせずに受け入れてくれた。

こんなことになったのも、全部僕のせいだ。

きっとそうだ。僕が観世先輩に頼りすぎたんだ。

手紙を書き終えて、近くのポストに入れた。気落ちしたまま舞台の稽古から帰ると、観世先輩から手紙が届いた。

ーーー
仁愛へ
手紙ありがとね。でも、戻れない。みんなに会いたいのは山々なのだけれど、僕が会いに行くには遠すぎるんだ。
君は自分のせいとか思ってるだろうけれど、君のせいじゃないよ。
決して、君たちのことが嫌いになったわけじゃないからね。
まだ君は若いし、たくさん悩むこととかあると思う。
僕を頼ってくれて、嬉しかったよ。
観世優大
ーーー
手紙からでも、観世先輩の温かさが伝わってきた。

(先輩に会いたいよ・・・)

先輩がいないと不安で仕方ない。やっぱ僕には、先輩が必要なんだ。

ハイドアンド・シーク→←*



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作者名:袖の雪 | 作成日時:2019年2月13日 16時

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