取材2 ページ26
Aside
今日はひとりで取材だ。将大がいないと心細い。
急に呼び出しても申し訳ないので、こっそり風をイメージしたネックレスをつけた。
実はこれ、誕生日プレゼントに箏担当のいぶくろ聖志さんからもらったんです。
ーよろしくお願いしますー
観「よろしくお願いします」
ーたくさんの人から観世さんと一緒にいると落ち着くと聞きましたがー
観「正直もう疲れました」
ー疲れた、というのは?ー
観「人に優しくするのに疲れました」
ージサツを試みた、とラジオの方で言ってましたがー
観「本当です。僕は本当に自分のことが大嫌いで。このままこの世界にいても意味ないんじゃないかと思って・・・」
ー嫌われるのが怖くてキャラを作ってたというわけですか?ー
観「・・・はい・・・」
ー他の方には相談されましたか?ー
観「してないです。僕そういうのも苦手で。仕事の邪魔したら申し訳ないし・・・」
ー遺書などは・・・ー
観「もう書いてあります。でも、将大(川上将大)に見つかって捨てられてしまったんですね。それでめちゃくちゃ怒られて」
ーお酒とタバコに依存していたというのも・・・ー
観「本当です。僕、小さい頃に両親と兄と姉を亡くしてて、その寂しさを紛らわすために毎日溺れてて。今思い返すと馬鹿ですね」
ー川上さんがラジオで火と水がトラウマと言っていましたが・・・ー
観「本当です。僕あの、父の方の祖父が漁師やってて。そのある日海で溺タヒしてしまいまして。その頃から水がトラウマに。火が苦手になったのは・・・10年くらい前に神戸市の方で火事があったじゃないですか。その時に祖父と祖母がタヒんでしまって。おじいちゃんとおばあちゃん大好きだったので、ショックが大きくて・・・」
ー時間が来てしまいました。ありがとうございましたー
観「ありがとうございました」
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作者名:袖の雪 | 作成日時:2019年2月13日 16時