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男「…あぁ…? ッ!」
威圧感のある無表情。
私を庇ってくれた…のかな、自意識過剰か。
…いや、でも違う気がする。
もっと、別の感情が混じっているように見える…?
男「っせぇ!!」
と、それだけ吐き捨ててコンビニから出ていった男の人。
他のお客さんも、安堵して止まっていた脚を動かし始める。
類「…ふぅ。 Aくん、大丈夫だったかい?」
『私、は…大丈夫です。 でも瑞希が…大丈夫?』
そう言いながら瑞希の方へ顔を向ける。
まだ青白い顔をしていた瑞希は、私の肩に手を置いた。
そして、私の耳元でこう囁いた。
瑞希「…何でもないから、先輩には言わないで」
それに黙って頷くと、瑞希は息を吐いた。
その後に笑顔を見せると、私と神代先輩の手を引いた。
『…瑞希』
瑞希「ごめんごめん、先輩の表情が怖くってさ。
じゃ、行こうよ! 時間無くなっちゃうから」
妙に明るい瑞希が先頭を歩く中、私と神代先輩は顔を見合わせた。
─────
瑞希「久し振りに来たなぁ、書店とか」
『そうなんだ、私はよく来るよ』
3人で行動して、色んな本を見る。
今日行うのはそれだけだ。
ふと、視界の隅にカラフルな色合いの雑誌が映った。
…瑞希が、好きそうな雑誌。
ねぇ瑞希、と言って服の袖を引っ張る。
瑞希「ん?」
『これ、ほら』
瑞希「…その雑誌が、何?」
『瑞希が好きそうだな、って思った』
瑞希にその雑誌を手渡すと、瑞希は数秒間見つめた後に
すぐに元あった場所に戻してしまった。
なんだ、期間限定の何とかって書いてあるのに買わないんだ。
『…買わないの?』
瑞希「ボクはさ、可愛いものは好きだけど。
ボクがそんなの買ってたら、気持ち悪いって思うでしょ。
いつかAも、そう思うんじゃないの」
いつもより暗い声。
自分に自信の無さそうな無気力な声。
『私、そんな事言った覚え無いよ』
瑞希「……でも、だからだよ」
『瑞希は可愛いよ』
瑞希の瞳が、私をしっかり捉えた。
─────
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ramune(プロフ) - 空無さん» こちらこそ感謝です! (8月18日 8時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
空無(プロフ) - 続編感謝です! (8月18日 8時) (レス) id: ce1eb79c94 (このIDを非表示/違反報告)
ramune(プロフ) - 廻慧さん» ありがとうございます〜!!!同じ受験生でしたか!!ほんと勉強しなさ過ぎて私はやばいです……笑 心強いです、一緒に頑張りましょう!! (8月18日 8時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
廻慧 - 続編おめでとうございます!私も受験生なのでお互いに頑張りましょう! (8月18日 8時) (レス) @page46 id: 6c38b128dd (このIDを非表示/違反報告)
ramune(プロフ) - さふゆわさん» さゆふわ様〜!ありがとうございます〜!!続編今日作りますね!!!お楽しみに! (8月18日 7時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ramune | 作成日時:2022年7月17日 21時