△34▽Ndaho△ ページ34
笑っててほしかった
たとえシルクに対する想いの顔でも
笑っててほしかった
正直俺はAの幸せを望む反面、望んでいなかった
自分が好きな子の恋なんて叶わなければいい
俺を選べばいい
そう思っていた
でも違うんだ
Aはシルクの名前が出ると表情がコロコロ変わる
幸せそうに笑ったり、シルクを想って怒ったりする
それが可愛かった
他の人に対しての表情だとしても
俺はそう思ってしまった
男から見てもシルクはかっこいいから
まあわからなくもない
サラッとこなしてしまう。なんでも。
たまに、ああモテるのはこういうところかと納得する
付き合えるように応援しよう、とまで思えるほど
心の広さはなかったけど
その顔が俺に向けてもらえたものなら
どれだけ幸せなことか
という妄想は何回したんだろう
-
言葉がスラスラ出てくる
セリフを考えていた訳では無い
シルクの名前が出ると、少し強ばって
目に涙が浮かんでいた
本人は無意識らしく、いつも通りに振る舞っているようだった
「シルクのこと好きでもなんでもいいけどさ
俺も真剣だから、ちょっとずつ好きになってくれてもいいよ」
うん、と何回か頷いたあと
「ありがとう」と笑った顔は
少し悲しかった
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作者名:エビアレルギー | 作成日時:2017年10月12日 8時