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電話、
諒から電話がかかってくる
え、初なんだけども
待ってどうすれば
私はベットの上で正座をしている
なんと不自然な画だろう
『十時頃な』
ピコン、と通知が鳴った
-
〜♪〜♪
十時
着信はもちろん諒
「…はいもしもし」
『俺だけど』
「うん」
少しだけ、いつもより低い電話越しの声
『くどいの嫌だからストレートに聞いていい?』
「うん」
『今日なんか違くなかった?』
あーやっぱりあのことか
「なんもないよって言ったじゃん」
『なんもなくないでしょ』
「……」
『黙んな(笑)』
「なんもなくなくもないけど」
『モヤモヤ消えないから言って』
「えー」
『えーじゃない』
「考える」
『おう待つ』
なに、どこから言えばいい
なにを言えばいい
彼女が欲しいか聞こうとしたこと?
今までのことに探りを入れようとしたこと?
千里が話を区切ったこと?
不機嫌が表に出てしまった自分に嫌気がさして
最悪な態度を取ってしまったこと?
枕に顔を埋めて考える
『おーい、まだ?』
「まだ」
『お前の嘘は俺わかるからな』
「わかってますよ」
『さすが』
「…だめだ、私もストレートにお伝えします」
『そのほうが助かります』
「口挟まないで、うんしか言っちゃだめね」
『うす了解です』
ふうーっと深呼吸
「ずっとね」
『うん?』
「私は諒が、ずっと前から好きなの」
『うん』
「今日の学校終わりにさ、
今まで深く話してなかった恋愛関係の話をして、
でも千里が途中で一緒に帰ることになって」
『うん』
「なんか、ちょっと頑張って聞いた内容を
壊されたように感じちゃって、千里は悪くないのに
それを顔に出した自分に嫌気がさした」
『うん』
「このままだと悪循環が続くと思って
二人から早く離れたかった。
だからハナを呼んで、すぐいなくなったの」
ああなんとなく理解したわ、という独り言が聞こえた
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作者名:エビアレルギー | 作成日時:2017年10月12日 8時