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塾は千里の家の近く
同じ方向
十五分ないぐらいの距離
帰りが暗くなってきたから
私の母は心配して車で迎えにくる
諒がいるから大丈夫って言ったのに
まあ送ってはいくんだけど
さすがにああいう話はお母さんの前でできないじゃん
も〜〜千里〜〜
「A?」
下を向く私の顔を覗き込むのは諒
「ん?なに?」
「いやなんでも」
私抜きの会話が続いてたから
入れようとしてくれたんだろうな
不機嫌を表に出してしまう
直したいけど嘘をつくのが苦手だ
そのあと私は、いつも通りを振る舞った
-
塾に着く
ハナがいる
歩いてる途中、玄関に迎えきてと
LINEをしていた
「A〜」
と手を振っている。可愛い
振り返した
ハナにこの理由は後に伝えるとして
とりあえず今は不機嫌なところをこれ以上
諒にも千里にも晒したくなかった
「じゃ!またね」
一方的に離れてしまった
最低だ
千里も悪くないのに
諒も悪くないのに
今まで触れてこなかった話に触れて
やっと聞けると思ったことを区切られて
自分なりに振り絞った勇気を
少し傷つけられた気分になった
その気分を表に出した
優しい二人に気を遣わせた
申し訳なさでいっぱいになった
もう私から諒にああいう話には触れられない
私は心が狭い
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作者名:エビアレルギー | 作成日時:2017年10月12日 8時