夜明けの空に。４

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その頃、八雲院長の元を尋ねていた本郷。

そこには桜庭麗子会長も姿を見せていた。









本郷「どうして柏桜会の会長様までこちらに？」




麗子「ナイト・ドクター制度を採用してもうすぐ３ヶ月。

ちょうど成果の報告を聞きに来たところだったの。

あなたの部下が早速また問題を起こしたみたいね。

…この制度は、医者の労働環境を改善するために

試験的に採用を決めたんです。

決められた労働時間を守っていただかないと、この制度を試すこと自体

意味のないことになるんじゃないですか。」







八雲「申し訳ありません、桜庭会長。」







本郷「いえ、全て私の責任です。申し訳ありませんでした。」







麗子「…、」









本郷はそう言って頭を下げ、

麗子は驚いたように振り返って本郷を見た。









本郷「ですが、もう少しだけ時間をいただけないでしょうか？

この制度は崩壊寸前の日本の救急医療を救う一筋の光になるかもしれない。

会長もそうお考えになったからこそ採用を認めてくださったわけですよね？

今後は必ずルールを厳守した上で成果を出して見せます。」









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家を出ようとする成瀬。



すると、ちょうど深澤が帰ってきたところだった。









鍵を落としてしまい、拾おうとして屈むと

背負っていたリュックから参考書や書類やらが飛び出した。









その行動はとてもゆっくりで、腑抜けたかのようだった。






そんな姿の深澤を見て成瀬は眉を顰めた。








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そして、深澤の方へと歩み寄る。









成瀬「…深澤。ちょっと顔貸せ。」









すると、深澤は光を無くした瞳で成瀬を見上げた。

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