夜明けの空に。2 (ページ46)

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手の震えを抑えようとなんとかしているところに

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『桜庭先生！』

深澤「A先生！」

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Aちゃんが来てくれた。

急いで来たようで、息が若干上がっていた。

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『私のノート見てくれたんだよね…？』

桜庭「うん…。」

『それ思い出して焦らずにやれば大丈夫。

甲状軟骨と輪状軟骨の間を探って、

そこをメスで一気に切開するの。』

しかし、俺の手の震えは未だにどうしても止まらない。

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『…大丈夫だよっ！ずっと夢だったんでしょ？

桜庭先生は、絶対大丈夫。』

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Aちゃんがそう声をかけてくれて、

『桜庭先生！

君はなんのために、ここに来たの？！』

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尊敬する本郷先生の姿を思い出した。

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「…っ、」

そして俺は、場所を定め、

メスを入れた。

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『…、ガーゼください！』

看護師「はい。」

「ぺアンください。」

Aちゃんのノートを思い出せば、

手がどんどんと動いた。

看護師「はい。」

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『筋鈎ください。』

看護師「はい。」

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「６ミリの気管チューブください。」

看護師「はい。」

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『…よしっ、カフ固定した。』

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すると、心電図の警告音が収まり、

サチュレーションも徐々に上がってきた。

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「やった…、やったっ…はあっ、はあ…」

急に少しほぐれた緊張と安堵に息があがる。

Aちゃんはそんな僕の姿を見て微笑んだ。

『…ってちょっと、まだ終わってないからね〜。

チューブ持って、ほら。』

「あ…っ、はい！」

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『ドレープ外します。』

看護師「はい。」