山田一郎 ページ2
貴『お待たせしました』
一「否、大丈夫だ!何処か行きたいところあるか?」
貴『…映画とか、行きたいです』
一「映画だな!兄ちゃんに任せとけ!」
貴『え?』
一「あ、悪い!つい癖で」
貴『いえ、ではお願いしますね"お兄ちゃん"』
一「////」
一郎さんは、表情豊かな人だ
僕と同じように、いつも笑っている
でも、それは心からの笑顔で
僕と同じような、自分を守る為の仮面じゃない
少し、彼が羨ましかった
一「今の時間帯だと…恋愛ものばっかだな」
貴『僕は構いませんが…一郎さんは?』
一「俺も気にしないぜ!」
貴『左様ですか』
映画の内容は…簡単に言えば少女マンガ的なやつですね
貴『………』
ヤバイです、泣きそう
実は僕、少女マンガ弱いんです
一「いい映画だったな…って大丈夫か!?」
貴『すみません…少女マンガ系弱くて…』
一「擦るな擦るな!目が腫れる!」
目元に布の感触がして、目を開けたら彼の色違いの瞳が間近くにあった
貴『………』
一「女子なんだから、顔に傷ついたら嫌だろ?」
笑う一郎さんは、太陽のようで
とても、眩しくて
でも、不思議と目を逸らそうとは思わなくて
一「あ、悪い。近かったな…」
貴『い、いえ…』
僕は兄さんを見て見慣れている(?)けれど
やっぱり、美形ですよね
長身に黒髪オッドアイ
まるで二次元から飛び出してきたかのような…
一「なあ、手繋がねぇか?」
貴『へ?あ、えっと…』
一「一様デートな訳だし、な?」
貴『は、はい…』
今思えば、兄さんの男の人と出掛けたことない…
彼と手を繋いで速くなった鼓動と、熱を持った顔は、気のせいだと思いたい。
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