彼人が四人 ページ6
「失礼します、兄さん」
「おー、中也か。」
「久しいの。」
ドアを開けて入ってきたのは橙髪の男。
空のような碧の瞳を向け、その整った唇を開いた。
「首領がおよびです。」
「分かった、すぐ行く。その前に一寸珈琲でも飲んで行け、少しは休め。」
「ありがとうございます。」
珈琲を入れて、Aは中也に差し出す。
彼らに軽く手を振り、開かれたドアを閉めながら出ていった。
「逢引中失礼しました、姐さん。」
「鴎外殿からの呼び出しでは仕方あるまい。それより、Aの珈琲はどうじゃ?旨いであろう?」
「はい、凄く。」
「それに、お主もAに会えて嬉しそう立ったではないか?」
「そ、それは…」
「隠さずとも良い、お主がAを慕っているのは重々承知じゃ。」
「はい。ポートマフィアに入ってから、兄さんには大分世話になりましたから。」
「そうか。……じゃが、渡す気はないぞえ?」
「俺だって負けません。絶対に振り向かせてみせます。」
「生意気になったものじゃ。」
橙髪に碧の瞳の男。
ポートマフィア五大幹部「中原中也」
異能力【汚れちまつた悲しみに】
中也は口角を上げ、紅葉は着物の袖で口許を隠して微笑んだ。
その頃、Aは首領の部屋へ駆けていたが、自分の争奪戦が行われていることなど、本人は知るよしもなかった。
98人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
前戸宮(プロフ) - うわぁ…尾崎紅葉様好きすぎる自分にとってはマジ神っす() (9月19日 20時) (レス) id: 40b619e51d (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - がんばってください! (2020年5月3日 18時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ