彼人が二人 ページ3
「紅葉、美味しいか?」
「とても美味しいぞえ」
オシャレな喫茶店、たくさんの若い男女。
きらびやかな装飾品に身を包み、自身を目立たせる周りの人間に、見劣りしない彼ら。
黒髪紫目の見目麗しい男、志賀A
朱髪に和装の美女、尾崎紅葉
Aが愛しげに紅葉を見つめていると、喫茶店のドアが開かれた。
「凄く素敵なお店だね、鏡花ちゃん!」
「うん。」
「ふふ、そうだろう?」
白、又は銀の髪の青年、
藍髪二つ結びの少女、
黒髪蓬髪の端麗な男性
「鏡花」
「!!!」
紅葉と、鏡花と呼ばれた少女が互いに向き合う。
「ポートマフィアの!」
銀髪の少年が、戦闘体制に入るがごとく構える。
そこで制したのは、意外にもAだった。
「おっと、人虎くん。今はプライベートだからね、戦闘は止してくれるかい?」
「貴方は?」
「紅葉の連れ人さ。」
「お久し振りです、Aさん。」
「太宰さん知り合いなんですか!?」
「ああ、マフィアの頃の私の上司。」
"ポートマフィア最年少裏幹部志賀A"
「最年少、裏幹部!?(実力は太宰さん以上…?)」
「鏡花、随分と明るくなったね。否、光に行ったことを責めてるんじゃない、今の君の方が幾分と素敵だからさ。」
「貴方も、できれば一緒に来てほしい」
鏡花はAの手を取ると、上目使いで言った。
Aは鏡花の頭を一撫でして微笑むと、紅葉に向き直った。
「悪いね鏡花。俺には紅葉がいるから、彼女を置いていくわけには行かない」
「済まんの鏡花。いくら鏡花とて、こなたの人だけは譲りんせんのじゃ」
「・・・・・・」
彼女等は、お互いを暫く睨み合っていた(ほぼ鏡花が一方的にだが)。
「では、俺たちはここで失礼するよ。」
「そうするかの。」
「あ、さっきはいきなり戦闘体制に入ってすみませんでした!」
「気にしなくていい、仲間思いな証拠だ。」
銀髪の少年に微笑みかけ、Aは紅葉の手を引いた。
「Aさん、私も貴方には」
「裏切り者の話は聞かない。」
太宰の言葉を遮り、Aは一睨みしてから喫茶店を出た。
__チリン
鈴の音が鳴り、また先程の静寂が喫茶店に戻ったのであった。
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前戸宮(プロフ) - うわぁ…尾崎紅葉様好きすぎる自分にとってはマジ神っす() (9月19日 20時) (レス) id: 40b619e51d (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - がんばってください! (2020年5月3日 18時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
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