Another Story 1.14 ページ48
何でナジェミンがここにいるのか、全く理解ができない。
「…ジェノのこと、聞きに来たんでしょ。」
ナジェミンは分かっていたのか、そう言って、部屋の中に俺達を呼ぶ。
若干警戒はしたけど、Aと顔を見合わせてから中に入った。
「…どこから聞きたいの？」
ナジェミンに案内されて、部屋のソファに腰かける。
「…何でイジェノとお前がここにいたのか、何でお前が通報したのかが聞きたい。」
俺がそう言うと、ナジェミンは頷いた。
「まず、何でジェノと俺がここにいるのかって話だけど、俺もジェノもAさんと同じ大学だからだよ。」
「っ、」
「…勿論、偶然なんかじゃないよ。
ジェノ、Aさんの進路調査を職員室に忍び込んで勝手に見たんだよ。
…それに、家が隣なのも、Aさん達がここに住むの分かってて契約してる。」
ナジェミンから知らされる事実に、鳥肌が立つ。
イジェノがAを諦めたと思っていたのは俺らだけで、あいつはずっと機会を伺っていたんだ…。
「…で、何で俺が警察呼んだかって話だけど…。
それは、ジェノにいい加減Aさんを諦めて欲しかったから。」
ナジェミンの発言に驚いたのは、俺だけじゃなかったみたいで、隣にいるAは「仲良かったのに…？」と呟いた。
「…ジェノのAさんに対する執着は異常だよ。
ジェノは自分の思い通りにならないのが気にくわないんだ。」
「…っ。」
「…Aさんを傷つけてまで自分のものにしようとするジェノ、見てられなかった。
誰かに執着するのは、もうやめてほしかった。」
ナジェミンはそう言うと、ため息をついて下を見た。
…正直、ナジェミンのことは苦手だったけど、こいつはこいつで色々考えていたんだと思ったら申し訳なくなった。
「…ジェミン君、ありがとうね。本当に。」
ナジェミンから話を聞き終わって、家から出る時Aはそう言った。
「…俺からも、本当にありがとう。」
そう言えば、ナジェミンは首を横に振った。
そんなナジェミンに背を向けて、隣の部屋に帰る。
「…全部、俺のせいだから。」
扉が閉まる直前、そんな声が聞こえた気がした。
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ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
