Another Story 1.10 ページ44
それでも、Aはカトクのブロックを解除しようとはしなかったし、俺の側にいる。
だけど、イジェノは廊下ですれ違う度に俺達を睨んできたり、周りのやつらにもあることないこと吹聴したりしてるみたいだった。
「…ドンヒョク。」
「…何。」
突然、俺に話かけてきたのは、前によくつるんでた奴のうちの一人だ。
Aは今ちょうど、トイレに行っていていない。
「…もうやめなよ、Aさんといるの。」
「…別に俺が誰といようが関係ねぇだろ。」
「だって、ドンヒョクが周りから悪口言われるの見てらんないから…。」
俺のこと、そうやって心配してくれるのはありがたいけど、正直元に戻る気はない。
もとからこいつ含め他のやつらにも興味無かったし、それに、こいつらよりAのが大切だ。
友達が何人もいなくなるより、A1人がいなくなる方がよっぽど辛い。
「…俺にとっては、Aが一番だから。」
「…何で急にそんなAさんのこと…
前まで嫌がらせしてたじゃん…！」
「…あのときは本当に悪かったと思ってる。
だけど、そんな最低な俺のことをAは助けてくれた。
…だから次はAのこと俺が助けてやりたいんだよ。」
いつの間にか周りは俺らに注目していて、教室は静かだったから俺の声がよく通った。
俺の話を聞いていたからか、ひそひそとまた周りは噂話を始める。
「…でも、ドンヒョクがAさんのこと無理矢理襲って脅してるとか、そういう噂だって流れてるのに…。」
「…別に勝手に流しとけばいい。
Aが俺の側にいてくれるなら、周りなんてどうでもいいから。」
Aの意思でAが俺の側にいることを分かってる。
その事実だけで十分だ。
その日を境に、俺の噂話はピタリと止んだ。
最初はそれも気味が悪かったけど、別にイジェノがどうこうしたとかは無さそうだった。
Aとの関係も相変わらず良好で幸せだ。
それに、あの地獄…家から出て、Aに紹介してもらった施設に行くようになったから、俺の体からキズも徐々に減ってきた。
人生で初めて、生きていてよかったと思った。
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ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
