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「テイルさん、お久しぶりです。」
「お、待ってました。」
歓迎会の日、俺はロンジュンを連れて施設にきた。
テイルさんに声をかけると、そう返された。
隣にいるロンジュンは、テイルさんを見ると、ペコッと頭を下げる。
「ファンロンジュンです。今日はお世話になります。」
若干人見知りをしながら、ロンジュンがそう言うと、テイルさんはニコニコしながら歓迎してくれた。
「Aちゃんと仲直りできるといいね。」
「…はい、頑張ります。」
ここに来て一気に緊張してきたせいか、少し堅い喋り方になってしまった。
そんな俺に気づいてか、テイルさんは俺の肩をポンポンと触った。
「こんにちは〜。」
暫くすると、そんな声が聞こえてきた。
聞きなれたその声に、俺もロンジュンも反応する。
「…イジェノだ。」
「…やっぱり来たんだ。」
隠れるようにして声の方を見ると、そこにはイジェノと、会いたくてたまらなかったAがいた。
「A…
あんな痩せて…」
「っ…」
ロンジュンの言うとおり、Aは前に見たときより痩せていた。
Aが辛い思いをしていたのは知っていたけど、その姿を目の当たりにしたら、すごく胸が痛んだ。
どう見ても幸せそうじゃないAの姿に、Aを助けたい気持ちがより一層強くなる。
「…。」
だけど、今すぐ行っても、タイミングが良くないことは分かっていた。
だから、Aの緊張が溶けて、イジェノの監視が緩くなったら行こうと決めた。
「Aちゃん、元気だった？」
「…はい…。」
「…
そっか！今日は楽しんでってね！
ジェノ君も。」
「はい。ありがとうございます！」
遠くからAの様子を見ているけど、テイルさんに対しても何か怯えているように見える。
でも、親にも顔合わせられないぐらい深刻だって言ってたし、テイルさんはまだマシなのかもしれない。
「あっち行こうか？」
「うん。けど、ちょっと怖い…。」
「…大丈夫だよ。僕がいるから。」
明らかにイジェノに対しては心を開いてるA。
全部あいつのせいなのに、いい彼氏のフリしてAの側にいるのが本当に嫌だった。
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ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
