. ページ25
「…
俺まじで最低だ…。」
空き教室に入ると、ロンジュンはそう呟いた。
ロンジュンは深く傷ついたような顔をしていて、俺まで胸が痛む。
「…Aは何も悪くなかったのに、Aに酷いこと言った…。
Aは知らないって言ってたのに、信じなかった…。」
そう言いながら、ロンジュンは目を覆った。
ロンジュンが泣くことなんてほとんどないのに…。
「…俺だって、Aのこと信じないで、ずっと避けてた…。
そのせいで色んな奴らに悪口言われてたし…。」
考えれば考えるほど、後悔ばかりが募る。
Aを信じていればこんなことにはなってなかったのに。
ちゃんと話し合えば、もっと早くイジェノの本性に気づけたかもしれないのに。
「ロンジュナ。」
「…ん？」
「…
Aに直接謝ろう。」
俺がそう言うと、ロンジュンは表情を変えないまま「どうやって…？」と聞いてくる。
「…Aの家は行っても無駄だし、イジェノは絶対にあわせてくれないよ…。」
そう言うと、ロンジュンはため息をついた。
少し諦めているような表情にも見える。
「…ひとつだけ、方法があるんだけど…。」
「…
方法…？」
俺の言葉に、ロンジュンは目を見開いた。
俺が頷けば、ロンジュンは「どうやって！？」と身を乗り出して聞いてくる。
「…Aが昔通ってた施設の人に協力して、呼んでもらうんだよ。
…A、施設の人は信頼してるから多分来てくれると思う。」
俺がそう言うと、ロンジュンはなるほどって言いながら頷いた。
けど、すぐに何か思い出したような顔をして俺に問う。
「…
でも、イジェノは…？」
「…あいつなら、多分許すと思う。
Aの施設の話、あいつは何も知らないから知りたいはずだし、恐らく着いてくるだろうけど…。」
イジェノがいてもいなくても、まずはAに会うことが重要だ。
Aに謝って、今まであったことを全部伝えたかった。
イジェノに騙されてることも教えて、救ってあげたい。
「俺、施設の人に連絡してみるよ。」
俺の言葉に、ロンジュンは大きく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1362人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
