君はまだ知らない (ページ8)

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Episode 6 ページ8

『Aー、帰るよ！』

「ちょっと待ってー!準備してない、」

やっとるなに話せる。

こういうとき的確にアドバイスしてくれるのはるなだけで、やっぱりすごいなと思う。

るなみたいに恋愛がうまくいったことはないからスッゴク助かる。

『はぁ?一緒に帰った！?』

「うん、一緒に帰ったね。」

『それでどうしたの？手とか繋いだの？』

「いや、さすがにそれはおかしい。家まで送ってくれたからクッキーあげた。」

『え、私もAのクッキー好きなのに!イドンヒョクにとられた！』

え、絶対そこじゃないでしょ。

『で、どんくらい好きなの？』

「へ?」

『イドンヒョクの事、いつものAとは違うなって思って。』

やっぱり、8年目は違うな。思ってること全部ばれちゃう。

「今までにない気持ちなんだよね、どう表せばわかんない感じ?」

『多分、それが本当の“好き”なんだと思うよ。今までの好きじゃなくて。』

「今までの好きになった人は本当は好きじゃなかったってこと？」

『そういう訳じゃないと思うけど、今までのは好き過ぎて辛いって訳じゃないでしょ』

「うん、」

『だけど、イドンヒョクの事は好きで好きでどうしようもない、そんな感じ。』

「そうかも、」

『それが好きってことなんだよ。分かったかな？Aちゃん』

急に子供扱いしてきて腹立つけど、的確なんだよな。

「でさ、この事絶対に言わないでね。特にルーカスオッパには。」

そう、るなには３つ上のルーカスオッパがいるんだけどそれがマークオッパと仲良しだから

もしもドンヒョク君の事がバレたら100%オッパたちにばれて大変なことになる。

『分かってるよ、Aのオッパ過保護だもんねーwww」

「笑ってるけど、めちゃくちゃ深刻なんだからね！」

今までの感じでだいたい分かってるかもだけど、うちのオッパたちは異常なほどの過保護で、

昔、私が好きな人がいるということが発覚したとき家中が大荒れになったことがある。

長男(テイル)は泣きわめくし、次男(ドヨン)はフリーズ、三男(ジェヒョン)はそいつ絞めるとか言い出すし、

四男(ジョンウ)は壁に頭を打ち付け始め、五男(マーク)は顔を真っ赤にして宇宙語を話し出した。

これが約三週間続いた。

この事件があってから私は絶対にオッパたちに好きな人がいることを言わないことにした。

実際このときオッパ達にばれたのはるながルーカスオッパに言って、

ルーカスオッパがマークオッパに言ったからだった。