Episode 20 ページ31
最後の日は、思っていた何倍も速くやって来た。
DH「明日から冬休みかー、」
「そうだね、」
DH「暇になっちゃうし、俺を起こしてくれる子に会えなくなっちゃうー」
「何言ってるの、大好きなママに起こしてもらいなよ。」
DH「だ、大好きって何で知ってんだよっ///」
「ドンヒョクバレバレだもーん、」
DH「ママに言うからなっ!」
「ほら、そうやってすぐママに言おうとするじゃん。」
DH「うるせー、せっかく寂しがってやってんのに。素直になれよ。」
「ねぇ、もう教室誰もいないよ。」
DH「みんな帰るの速くね?最後だし一緒に帰るだろ?」
「ドンヒョク、あのね…実は私、」
JN「ドンヒョクー、先生が呼んでるよ!」
私が話始めたと同時にジェノ君が走ってきた。
DH「は、マジかよ。ごめんA、今日は一緒に帰れそうにないわ。多分、」
「全然大丈夫!速く行って!」
DH「話は、三学期な!あと、三学期の最初の日は絶対俺と一緒に帰ろーな!」
早口でそう言って走っていったドンヒョク。
良かったのかもしれない、これで。
ジェノ君が来てなかったら、言っちゃう所だった。
“好き”って、ドンヒョクの事が大好きだって。
仮に私の気持ちが伝わったとして、ドンヒョクの気持ちを聞いたとして、
私は明日、ここを離れる。
今さっきの約束も、守れないや、ごめん。
ドンヒョクの“絶対”は私たちに来ないんだよ、
誰も気付かないかもしれない、ドンヒョクも、るなも。
ここに残しておくから、最後の私の気持ちを。
見つけられても、見つけられなかったとしても、戻ってくるから。
いつか、この気持ちを伝えに。
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作者名：れるろろ | 作成日時：2021年2月13日 14時
