君はまだ知らない (ページ3)

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Episode 2 ページ3

気になってはいた。

というか、最初から好きだったのかもしれない。

教室の真ん中で笑ってるドンヒョク君の事。

誰かを好きになったことはある。一緒にいて楽しかったり、困ってるときに助けてくれたり、

好きになる理由はどれもありふれたものだったけど、

今となってはその“好き”の気持ちは偽物だったのかもなんて考えてしまう。

だけど、私のドンヒョク君への気持ちは“好き”なんて言葉では言い表せない不思議な感情で。

「ねぇ、(るな)は好きってどんな感情だと思う?」

『Aー、急にどした？』

「いや、なんとなく。」

『あ、A好きな人でもできたんでしょ。』

「まぁ、それに近いかな///」

『ウチは、話したり目があったらドキドキしてその人のことをずっと考えたりしてたら好きって思う。』

違う。

もっと複雑なんだよ、そんなありふれた好きなんかじゃない気がする。

仲良くなったばかりなのにこんな風に思ってしまうのは、変な感じがするけど。

「そっか、ありがと。」

『で?誰なのかなー、Aの好きな人!』

「もうちょっとだけ秘密かな、」

『えー、ケチ！』

そんな風にいじけてるるなは放っておいて席に戻る。

隣をそっと見たら机に伏せてるドンヒョク君がいて、またちょっとだけ不思議な気持ちになった。

「ドンヒョク君、もう授業始まるよ！」

DH「うーん、もうちょっとだけ。」

ドンヒョク君を起こしてみるけど、全く起きる気配がない

毎日何かドンヒョク君と話しておきたくて、寝ているドンヒョク君を起こしまくっていたら

ドンヒョク君専属の起こす係になってしまった。

それでもドンヒョク君の中で“起こす係”なんて私しかいないから

特別だ、なんて喜んでしまう。

きっとそう思っているのは私だけでドンヒョク君は何も知らないけど。