・ ページ34
.
HC「え、怖い怖い怖い」
「もー、またあんたなんかしたんでしょ？罰則だよ罰則」
HC「してないよ！最近はいい子にしてるもん」
ジェヒョンって、結構無表情だし、威圧感がある。
話してみれば赤ちゃんみたいで面白いのに勿体ないな、なんていつも私は悠長に考えていた。
今日もお得意の無表情で、私たちの前で歩みを止める。
ヘチャンは呆れ顔で、既に臨戦態勢といったところか。
HC「で、なんですか？服装違反？遅刻？反省文なんて飽きたから書きませんよーだ！」
JH「……」
HC「…え？」
私は黙って、溜め息を吐きながらヘチャンのことを眺めていた。
だけど彼の表情が一瞬、驚愕めいたものに変わる。
私もその表情につられて、ジェヒョンのことを見上げた。
HC「…うっ……、」
「………え？」
HC「ぐ…はっ、………」
血飛沫。
私の頬にかかった、生温い水滴。
ぐるりと上に剝いた、ヘチャンの眼球。
その腹に突き刺さる、ジェヒョンの腕。
…赤黒く染まっていく、ヘチャンのシャツ。
それから、ジェヒョンの腕を滴り落ちる…
…ヘチャンの、鮮血。
どさりと、地面に倒れこむ。
何度か痙攣し、うずくまり、そして動かなくなった。
そこに静かに広がっていくのは、血の泉。
世界が、何重にも歪んで見えた。
意識が、途端に白んでいった。
息が、出来なかった。
「…ヘ、チャン……？」
「ヘチャン…！？」
…ああ、本当は解っていたのに。
その肩を揺らしたって、名前を叫んだって、
もう二度と、彼は目を覚まさないことくらい。
「いっ……や…」
「いやっ……」
「いやあああああああああああっっっ！！！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1386人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - 閲覧頂きありがとうございます、本編では文字数オーバーなのでこちらから失礼します。公開が大変遅れてしまいましたが5章目が完成しました。次章で最終章になります。公開まで今しばらくお待ちください。 (2023年3月2日 11時) (
レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2023年3月2日 11時
