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JH side
遠くから、見つめていた。
ただずっと、見つめることしか、出来なかった。
薔薇の茂みの中から、その姿を。
その笑顔を。
俺は、その隣には、居られないから。
"よかったら、食べますか？"
“手、貸して。何やってるんですか、先生”
“今度これで作ってみるよ。ありがとう、ジェヒョナ”
…君は選んだ。
俺ではない者を。
それでも止めることが出来ない衝動を、それを、愛と呼ぶのだろうか。
分からない。
何も、分からない。
俺は、あの少年のようにはなれなかった。
どう、愛情を表現すればいいのか分からなかった。
俺は何も分からなかった。
ただ、Aのことが…
…その眩しい、可憐な笑顔を
もっとそばで見つめていられたなら…
YT「…どうして泣いてるんだよ」
JH「……え…？」
YT「…」
俺は自分の頬に手を当てる。
そこに感じた、湿った感触。
ユタヒョンは俺を見つめている。
驚きもしない。いつもの冷たい瞳。
俺の手は震えていた。
…どうして。
…どうして、泣いているんだ。
どうして……
JH「…俺…っ、」
YT「ははっ……おいおい、ここまで来てやらないなんて…ないよな？」
JH「でも…Aの、Aの…」
YT「え？」
JH「Aの幸せっ……奪う、ことに…」
YT「はぁ…」
欲しいなら力ずくで奪え。
愛とは、独占すること。
他を排除すること。
Aをお前のものにしていいんだ。
他のやつなんて、みんなみんな、いらないんだ。
ユタヒョンはそう言った。
俺の思いを肯定してくれた。
俺なりに考えた愛の形を認めてくれた。
俺のことを抱きしめてくれた。
だけど、一晩中、考えていたんだ。
そんな暴力的な愛の形は、Aの幸せを奪ってしまうんじゃないかって。
Aの笑顔と心を、壊してしまうんじゃないかって。
愛は…
…もっと、もっと、優しいもの…
Aが俺にくれた、あの暖かな…
暖かな、“感情”のように…
もっと、もっと、奪うんじゃなくて、
与えて、慈しむもの……
YT「仕方がない」
YT「お前に俺の力を分けてやる」
そんな声が聞こえた、次の瞬間。
俺の身体に、脳に、激痛が走った。
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れいら(プロフ) - 閲覧頂きありがとうございます、本編では文字数オーバーなのでこちらから失礼します。公開が大変遅れてしまいましたが5章目が完成しました。次章で最終章になります。公開まで今しばらくお待ちください。 (2023年3月2日 11時) (
レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2023年3月2日 11時
