紅い病 ページ10
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「……、」
鈍い頭痛。
霞んだ視界に映るのは、ぼんやりとした灯りに照らされる天井。
体を動かそうとして気が付く。
私の知らないシーツだ。
…ううん、でも、知っている。この香りを。
私がふと顔を上げれば、
長い脚を組んで、いつもの眼鏡をかけて
穏やかにコーヒーを嗜みながら、本を読む。
そんなヨンホ先生の姿が見えた。
「せんせ…っ、うっ……！」
JO「あ…気が付いた」
先生の名前を呼ぶと、鋭い頭痛が私を襲う。きんと耳鳴りがして、私は思わず自分の頭を押さえ、うずくまった。こんなに耐え難い痛みは、体験したことが無い。
…そうだ。
倒れる前も、こんな頭痛のあとに、頭が真っ白になった。
私の体、どうしてしまったの。
苦し紛れに目を開ける。何故か、瞼を閉ざした暗闇のなかに居たくなかったから。そのまま奈落へ尽き墜ちて、体が散り散りになって、消えてしまいそうだったから。
私の中に、知らぬ間に巣食っていた何か。
今にも私を喰らい尽くして、中身をめちゃくちゃにしてしまうのではないかと、そんな得体の知れない恐怖が、その深淵からこちらを覗いている。
JO「A」
「っ、はあ、うっ……」
JO「…何も無いよ。何もおまえを貶めるものなんかないよ。安心して…」
来ていたブラウスの背中が、びっしょりと冷や汗で濡れている。それなのに、体温は増すばかりか、血脈にまでも熱湯が流れるように、全身が熱い。
私は何かの
私の首筋を撫でるヨンホ先生の大きな手のひらすら、その感触を感じ取ることが出来ない。私は喉が渇き、ひどく飢えていた。
「…わ、たし…」
眩暈のするなか、ヨンホ先生を見上げる。
彼の頬に手を伸ばす私の手。
その手の甲は、まるで人間のものではないかのように真っ白で、それなのに煮えるような灼熱の血をそこに感じる。青い血管が、不自然なほど隆々と浮き上がっている。
…その黒い髪、
舐めるような眼差し。
……ずっと私があなたに憧れていたのを知っているくせに、
あなたは私をずっと弄んでは、子どものように扱った。
本当はヨンホ先生と、おなじに、なりたかったのに。
静まり返った、薄暗い部屋。
遠くで鴉が鳴いたとき、
私のなかに浮かんだソンチャンの笑顔は
一瞬にして、どす黒い血に染まって、消えていった。
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れいら(プロフ) - らんさん» ありがとうございます！そう言って頂けて光栄です🥹次章公開いたしましたので、どうぞよろしくお願いします☺️ありがとうございます！ (2023年3月2日 11時) (
レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - 水恋さん» お返事大変遅れてしまいました。ありがたいお言葉とってもうれしいです！次章も公開しましたので、お時間ある時にぜひお願いいたします🙌🏻 (2023年3月2日 11時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
らん - 今まで見た中で1番好きな小説です⸝⸝o̴̶̷̥᷅ ̫ o̴̶̷̥᷅⸝⸝続きがとても気になります( ´. ̫ .` ) (2023年2月9日 4時) (レス) id: dff2d40152 (このIDを非表示/違反報告)
水恋(プロフ) - この小説どタイプすぎて一気見しちゃいました、、もう1周してこようかな(´▽`) '` '` '` (2022年12月8日 18時) (レス) @page48 id: b9026dcaf5 (このIDを非表示/違反報告)
main - こちらこそ！いつも楽しませてもらってて感謝しかないです！♡ (2022年11月20日 9時) (レス) id: 7682808c62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年11月16日 1時
