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「…っ……、」
…ああ
どうして
貴方を思い浮かべた瞬間
まるで蜃気楼のように、そこに現れるのか。
でも、今度こそ、幻なんかじゃない。
“彼”は、私に傘を手向けながら、そこに居る。
私の頬を新たに濡らした涙の温度は、温かかった。
いつか触れた彼の手のひらと、同じ温もりを感じた。
土砂降りの雨の中で
もう、最後にいつその顔を見たのか
憶えてすらいない
だけど
その、彫刻のように美しい輪郭
宝石のように大ぶりで眩い瞳
私の名を呼ぶ、紅い唇。
…私が、彼の名前を叫べば
彼は激情を堪えたような瞳と、唇を引き結んで
…私の名前を、もういちど、呼んで
そして、私を、抱きしめた。
…貴方は、何者なの。
どうして私の前に現れたの。
どうして私を、この薔薇の園に惹き寄せるの。
彼の腕のなかに抱かれながら、私は気を失った。
なんだか、とても心地がよかった。
すべてのしがらみから解き放たれた、そんな感覚がした。
まるで永遠の眠りにつくように、私は彼の纏う薔薇と血の香りに抱かれながら、意識を手放したのだ。
…私に呪いをかけたのも
花嫁の血、なんて、
そんな運命を与えたのも
すべて貴方なんでしょう
「テヨン……」
どうしてか
わたしは
貴方を、ずっと
ずっと
うんと、遠い昔から
知っている
憶えている
…そんな気がする
テヨンは、私のことを見つめていた
そして、彼の大きな瞳のなかは
何かの決意を秘めたように
…静かに、静かに、白い炎が揺れていた
私に何かを囁いた
そんな気がした
…けれど
私はただ、テヨンがそこにいてくれるだけで
安心して、眠気に襲われて
ああ
貴方が最後に言った言葉は
なんだったかな
…今までずっと
君を独りにして、ごめん
今度こそ
今度こそ、
君を最期まで守り抜いて
愛し続けるって
俺の運命に誓ったよ
A
──Je n’aime que toi.
To be continued.
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れいら(プロフ) - らんさん» ありがとうございます！そう言って頂けて光栄です🥹次章公開いたしましたので、どうぞよろしくお願いします☺️ありがとうございます！ (2023年3月2日 11時) (
レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - 水恋さん» お返事大変遅れてしまいました。ありがたいお言葉とってもうれしいです！次章も公開しましたので、お時間ある時にぜひお願いいたします🙌🏻 (2023年3月2日 11時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
らん - 今まで見た中で1番好きな小説です⸝⸝o̴̶̷̥᷅ ̫ o̴̶̷̥᷅⸝⸝続きがとても気になります( ´. ̫ .` ) (2023年2月9日 4時) (レス) id: dff2d40152 (このIDを非表示/違反報告)
水恋(プロフ) - この小説どタイプすぎて一気見しちゃいました、、もう1周してこようかな(´▽`) '` '` '` (2022年12月8日 18時) (レス) @page48 id: b9026dcaf5 (このIDを非表示/違反報告)
main - こちらこそ！いつも楽しませてもらってて感謝しかないです！♡ (2022年11月20日 9時) (レス) id: 7682808c62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年11月16日 1時
