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YT「そう言えば、一人部屋は慣れた？」
「一人部屋？…ああ、とっくに慣れたけど」
YT「ふふっ、ジョンウがいなくて寂しくない？」
「…少しは寂しいかな」
今思えば、ジョンウの突飛な行動の数々も、彼が私の首筋によく触れていたのも、彼が吸血鬼で私の血を欲していたからだと理由をつければ、納得出来た。
ヘチャンはそんなジョンウの性格も知っていたのだろう。だからあんなに危ないと、私に警告していたんだ。
そんなこともあり、今は私は一人で生活している。
不思議なのは、彼も暮らすことで何度か身の危険を感じていたにも関わらず、ジョンウのいない生活は退屈でつまらないと感じているということだ。
私は、ジョンウにいつ襲われるか分からない不安に苛まれるより、ジョンウにかまう面倒くささや、うるさい彼の話し相手をするその時間を、愛していたらしい。
YT「困ったことがあったら、またなんでも言えよ」
「…はあ」
YT「じゃあな」
私の肩をぽんと叩き、ユウタ先生は歩き去っていく。
すぐ女子生徒に話しかけられ、あっという間に人だかりに囲まれるユウタ先生の姿を遠巻きに見て、私はすぐ彼に背を向けた。
…困ったことなんて、別にねーけど。
あまり私に関わらないでほしい。
そして私は、くるりと踵を返すと、無駄に豪華な廊下を歩く。
深紅のカーペット、誰が描いたか分からないけれど見事な油絵が飾られた壁、大広間にはシャンデリア。たまに音楽科の生徒が嫋やかな演奏をするグランドピアノの横に、二階へと続いていく大階段、吹き抜けの天井。
…ほんと、どうもこうして豪勢なのか。
こんなにも贅沢な暮らしをしていると、一生ここに居ていいじゃないって思える。
この学園を創った人は、吸血鬼の子どもたちを永遠にここに閉じ込めておきたいのだろうか。
…待って、そうか。
そういうこと、なのか。
そう思うと、合点がつくかも。
この学園を創った者が人間なのだとしたら、吸血鬼を隔離し、人間社会から引き離し、死ぬまでここに閉じ込める。さながらこの森の中を、とても美しく残酷な監獄のように見立てて。
ずっと、ここで、生きていく。
…そんなこと、あっていいものか。
私はここでの心地のいい暮らしに、なぜか体の内側が毒されていると感じた理由が、この瞬間にわかった気がした。
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スジン(プロフ) - ありがとうございます！！ (2022年7月30日 0時) (
レス) @page50 id: d2feff5954 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - スジンさん» コメントありがとうございます🥹とても嬉しいです…！第３章は既に公開しているのですが、R/18フラグが立っているので、ログイン後設定を解除して頂いてからもう一度試して頂けませんか？よろしくお願いします🙇🏻♀️ (2022年7月29日 8時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
スジン(プロフ) - いつも楽しく読んでいます！！お話の内容がよく考えられていてとっても面白いです🥰🥰質問なんですが、第3弾は更新されていますか？？私のアプリだとエラーで見れないのですが、、、 (2022年7月28日 23時) (レス) @page50 id: d2feff5954 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - <3さん» お返事遅くなりました💦ありがとうございます！！そうなんです、、伏線全部回収する！と思います！！笑笑 かなり長期連載になりそうですが、ぜひ楽しんで頂けるよう頑張りますので、今後とも宜しくお願いします🙇🏻♀️❤️ (2022年7月19日 21時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - ミアさん» お返事遅くなりました（ ; ; ）ありがとうございます…！とてもとても嬉しいです😭😭これから伏線回収してもっと面白くなっていくはず…！ですので、これからもご愛読頂けると嬉しいです🥰本当にありがとうございます！！ (2022年7月19日 21時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年7月5日 16時
