異形同士の二重奏 ページ40
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「おかしいと思いませんか」
「…なんか変ですよ、やっぱり。この学園は」
降りしきる雨が、窓を打つ。
朝からずっと止みそうにない。
あまりに強い雨粒のせいで、彼が奏でるせっかくの音楽も、いつもより濁って聞こえる気がした。
私の問いに、彼はピアノを弾く手を止めた。
穏やかに微笑む姿は、彼の実年齢と制服との違和感なんて感じさせないほど甘やかだ。
TI「どうして、そう思うわけ？」
「だって…」
テイルさん。
私は最近授業をさぼってばかりいるわけだけど、そういえばいつも音楽室から流れてくる綺麗な音色を奏でる主は誰なのだろうと気になって、数週間前にここに足を踏み入れたのが出会いだった。
噂には聞いていた。
音楽科の3年生に、音楽の才能はずば抜けているんだけど、全く授業に顔を出さないから留年し続けてる人がいるって。
それに、見た目が昔から全く老けないから、音楽室に棲みついた幽霊なんじゃないかと面白がる人もいるようだった。
だけど、もちろん彼は幽霊なんかではない。
むしろ、ひょうきんで、優しくて、自分のペースとスタイルを持ったような、素敵な人。
テイルくんの持つ穏やかな雰囲気と、独特の世界観に、私は惹かれるようにして いつもここへ足を運ぶようになった。
「どうして、昨日みたいな気持ちいい晴天の日は学校が休みになって、今日みたいな天気の悪い日はみんな嬉々として学校に行くんですか」
TI「ああ、なるほど。そういうことね」
「これ以外にもですよ。…私もう、道徳の授業に辟易しちゃって。やれ人間の歴史がどうの、人間の考え方がどうの、人間としての正しい考え方はどうかとか、…誰が興味あるの？そんなこと」
TI「まあね〜、僕たちが世間に出るためには大切なことだからね」
ほんとにおかしい。
あまりに、一般社会とかけ離れた教育が為されているというか、しきたりがあると言うか。
テイルさんは涼しげな顔をしていて、私の話を聞いているのかそうじゃないのかよく分からない。
…ここの生徒も、社会に生きる普通の人間であることに変わりはないのに。
この森に閉じ込められて、まるでもう一つの社会を構築しているような、宗教じみたものをここでの教育に感じるから、私は気持ちが穏やかでないのかもしれない。
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ゆら(プロフ) - れいらさん» 本当に楽しみにしていました！何回も読ませていただきます🥺 (2022年7月6日 20時) (
レス) id: b4dc2fdbd2 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - ゆらさん» お返事遅くなってしまいました。とても嬉しいお言葉ありがとうございます🥹次章を公開しましたので、是非お読みいただけると嬉しいです🤲🏻 (2022年7月5日 16時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 本当に好きな作品に初めて出会いました。楽しみにしてます🥺 (2022年6月15日 18時) (レス) id: b4dc2fdbd2 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - ミアさん» ありがとうございます！😭💖また1章分書き上げてからの公開になるので少し時間が空くと思いますが、ぜひ続きをお楽しみにお待ち頂けたらと思います😌💕 (2022年6月13日 22時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます🥹とっても嬉しいです！ご期待に添えるよう素敵なお話を目指してこれからも書いていきたいと思います✊🏻コメントありがとうございました！！❤️ (2022年6月13日 22時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年6月13日 14時
