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TY side
TY「…何、してほしい？」
「…え？」
TY「なんでも、言ってみて。しばらく会えなくなるから。俺に出来ることがあれば、なんでも」
長い睫毛がはためく。
一瞬戸惑った表情の幼さに、俺はまた微笑んだ。
Aは俺の言葉を噛み砕いた後、少し考えるような素振りを見せる。
「…走って疲れたから、脚のマッサージとか」
TY「あははっ、いいね」
「コンビニで一番高いアイス買ってきて、とか」
TY「うんうん」
「ふふっ、そうだなぁ…。……ねえ、じゃあ、テヨンア」
TY「お、何か思いついた？」
「必ず私のところに帰って来るって、約束して。何かそれの確証になるもの、ちょうだい」
Aは微笑む。
…確証、か。
今持っている物を片っ端から思い起こす。
リボルバーは…約束の品にしては物騒すぎる。
ピアスを渡してもいいけど、小さいから今渡すとすぐに無くしてしまいそうだ。
…そうだ、ネックレス。
シルバーのプレートが付いた、シンプルなネックレス。
俺はそれを外して、Aの首に腕を回して着けてあげた。
Aはふと、至近距離にいる俺を見上げる。
間近で、触れ合えば熱を生みだしそうな視線が重なる。
…こんなに睫毛、長いんだ なんて
俺は必死にそれとないことを考えながら、すぐ体を離した。
危ない。一瞬、頭に良くないことが過った。
だけど、
Aは俺の腕を強く引き寄せた。
TY「うわっ、」
バランスを崩した俺は、Aの上に被さるようにソファーへと倒れ込む。
肘をついて、顔を上げる。
…今度は鼻先が触れそうな距離で、俺を見上げているA。
その小さな手はしっかりと、俺の腕を掴んだままだった。
TY「Aっ……」
「…これだけじゃ、やだ」
TY「…これだけって…」
「……もっと近くで、ちゃんと全部、触ってくれなきゃやだ…」
TY「……」
心に触れるだけじゃ、くすぐったいだけで物足りないよ
…Aは、俺を真っ直ぐ見つめながら
震える声で、そう言ったんだ。
心がぐらぐら揺れ動く。
俺は耐えきれずに額に手を当て、深い息を吐いた。
そんな俺の様子をくすくす笑うAは、
無邪気なふりして男を弄ぶ小悪魔の本領発揮、ってとこか。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
