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TY side
TY「…もっと、一緒にいたい。大切にしたくて、たまらない」
「そんな…」
TY「戻ってきたら、誰より先に会いに来る。俺はいつでも、Aと同じ気持ちで…生きてるから。きっと、そうだから」
Aの髪に触れ、頬に触れ
ぎこちないこの手も、Aは笑って包み込んでくれるだろうか。
俺もAも、同じものを抱えている。
他の誰にも曝け出せやしない、臆病な心の中に。
俺はこの手が、Aはその体が、汚れきっている。
そして、同じ哀しさに呪われているんだ。
俺は、家族を皆殺しにされて、俺だけ生き残ってしまった。
Aは、父も母も、最愛の兄も、運命に奪われた。
だけど、
生きる希望と意味を失わない限り、
心の聖域までは何にも汚させない。
純潔を守り、芯を通らせ、殺さない。
自分の一番ピュアなものを、失っていない。
Aは、お兄さんがいるから。
そして俺は、
…Aと出会えたから。
Aを、お兄さんに会わせたい。
Aが俺にそうしてくれたように、俺も彼女に幸せっていうやつを、あげたいんだ。
何も無かった。
道を踏み外してから、このまま何処かの国で誰かに殺され、人知れず骨になる。それだけの人生だとばかり思っていた。
俺には、何も無かった。
だけど今は、生きる理由が出来たんだ。
…みすみす死んでられるか、なんて
生きたい、なんて
誰かの喜ぶ顔を見たい、なんて
俺でも俺らしくないと思う。
だけど、そんな自分が嫌いじゃない。
Aに微笑みかける俺は、きっと綺麗な
だってAが、微笑みを返してくれるから。
Aと同じ色になれる。
それだけで、俺の目に映る何もかもが、心で感じる何もかもが、色づいていく。
TY「…いつでも、Aを想ってる。一番に。離れてても、ずっと」
「…っ……、」
TY「……だ、から」
「…え…？」
TY「……好き、だから…」
「………テヨンア…っ…、…！」
…好き、って
よく分からない
だけど
大きな瞳に涙を溜めながら、
俺の胸に飛び込んできた
そんなAを抱きしめる瞬間、
胸が熱くなって、少し痛んで、
だけどとびきり、満たされて …生きてる心地がする。
これを、愛情と呼ぶのだろう。
例えそうじゃなくたって、
Aを想う、そのときの温もりに
俺は愛情って、名前をつけたいんだ。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
