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TY「ここまで派手な騒動になった。向こうの構成員を全員仕留めた確証も無い。店にいた人たちに、俺の顔も見られた。このままだといつ報復があってもおかしくない」
「…どこ、行っちゃうの」
TY「それは…まだ分からないけど」
「…やだ、行かないで…」
テヨンは殺し屋だ。
いくら健気な笑顔を見せても、
私に向ける眼差しが優しくても、
私の髪を撫でる手が暖かくても
店で見た彼の姿が、全てだ。
敵と認識すれば、容赦なく頭を撃ち抜く。
その行為に躊躇いは無い。
もしそれが任務だったとしたら、彼は報酬を貰う。
誰かにとっては“大切な人”の命を潰しながら、彼は生きてる。
それなのに、私はまだ彼を求めてる。
…離れてほしくない。
私のそばにいてほしい。
特別な存在の彼を、いつもこの体のどこかで感じていたいというエゴ。
焦る気持ちは、ゆっくりこちらに歩いてくる絶望から逃れたいから。
…もう誰にも見放されたくないっていう、絶望。
月より美しいダイヤモンドが、私に置き土産としてくれた絶望だ。
TY「…でも。もしこれからもAが俺と一緒にいたら、Aにも危険が及ぶ。いつ誰に狙われるか、分からなくなるんだよ」
テヨンも苦しげな表情をするけれど、至極真っ当に私を諭す。
頭ではもちろん分かっているのに、
心が駄々をこねて、胸が張り裂けそうになるほど切なくて
自分の言うことを聞かない私の心に困惑する。
正直、自分の命が危険だとか、そんなことはどうでも良かった。
また私の前から愛しい人が去っていくのが、死ぬことよりも辛かった。
…神様は意地悪すぎる。
テンが私を捨てたのは、私にも原因があるけれど
テヨンが今、私から離れようとしてるのは、私じゃどうにも出来ないことがあったから。
誰かに触れていないと、私は欠けたままなのに。
テンの愛情で痺れて、テヨンの温もりで守られていたいのに。
悲しくて込み上げる涙は、きっとテヨンを困らせる。
…何をしても、苦しいじゃない。
誰かが愛しいって、こんなに苦しい。
TY「…A、どうして…泣いてる…？」
「…なんでもないよ、…」
案の定、困惑した様子で私の顔を覗き込むテヨン。
あなたにそんな不安な顔をさせたいわけじゃないのに。
私は涙を拭い、彼の瞳を見つめ直すけれど
…その目を見つめると、また愛しさが加速していく。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
