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『姉ちゃん、邪魔だからそこ避けろ！撃たれ…うわぁぁああっ！！』
「きゃっ……！」
私の前に立っていたお客様。
容赦なく敵陣営と思しき集団を撃っていたのに、
私に警告したその一瞬のうちに、心臓を撃ち抜かれ、首を
彼の血が、頬に飛び散る。
どさりと体が倒れた振動は、この心臓まで震わせるようだった。
逃げなくちゃ。
集団から逃げ惑う人々がどんどんこちらへ押し寄せてきている。
震える脚になんとか力を入れて立ち上がる。
人波に倣って逃げようとするけど、後方で銃声が上がるたびに周囲の女の子たちは悲鳴をあげてしゃがみ込む。
『いやあああっ！！あんたが死ねよ！！あたし死にたくないよぉっ！！』
「きゃっ！！」
一人のキャストに突き飛ばされ、一気に開けた視界。
人波からはじき出された私に、…一気に私に向けられる銃口。
自分の手を握りしめる。
今度こそ膝ががくがくして、立とうにも立てない。
…どうして周りの人は、みんな倒れてるの。
どうして誰も、助けてくれないの。
女の子たちは私が標的にされているうちに、とっくにフロアの隅へ逃げてしまった。
遠くで立つ男性が私に向けて引き金を引く音。
驚くほど鮮明に、聞こえてくる。
こういう時に限って、何も考えられなくなる。
…なぜか、
ウィンウィンオッパのことだけが、頭によぎって
そのまま意識が遠のくような気がした。
“A！”
なんて
必死に私を呼ぶ、そんな幻まで 見てるのかな。
まるで走馬灯だ。
そして次の瞬間、強く感じた。
腹部への衝撃。
反転する視界。
詰まる息。
…そしてまだ、脈打ってる、心臓。
『グンハン！おい！？』
『グンハンが撃たれた！！』
『てめぇっ…！』
『あの男だ！！殺せ！！』
何が何だか分からない。
ただ、私を抱きしめて床に転がり込んだ体の
その香りだけは、よく知っている。
独特な、鉄が尾を引く香りだ。
テーブルの角に足をぶつけたのか、爪先がじんじん痛む。
温もりを感じたその瞬間には至近距離で銃声が鳴り響き、その音と振動に思わず目を閉じた。
何発も、何発も
その発砲音は止まらない。
遠くから叫び声が幾度も聞こえるけれど、彼は目にも留まらぬ速さで弾を変え、また撃ち始める。
…そうか。
さっき名前を呼ばれた気がしたのは、
幻でも ウィンウィンオッパの声でもなかったんだ。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
