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オッパが韓国にいる
その可能性が、限りなく高い。
…そう分かってから、数週間。
ジャニに協力してもらって、カジノに訪れた組織の幹部の行動に探りを入れてもらったけれど、組織が異国での活動に警戒しているのか有力な情報は掴めなかった。
テヨンにも構成員の動きを追って欲しいと伝えてみたけれど、その結果がどうなったかまだ連絡は来ていない。
今にも自分で動き始めたいくらいだ。
だけどいくらなんでも、女一人で暴力団と裏社会に足を突っ込むことが危険すぎることは理解していた。
『Aちゃん、大丈夫？』
「え？…ああ、ごめんなさい。ちょっとぼーっとしてた…」
『しっかりしなよ。まさか疲れてるの？』
「大丈夫だよ」
私の隣に立っていた同僚が声をかけてきた。…そんなに分かるくらい、疲れてるかな。私。
急いで笑顔を作り、首を横に振る。
ミニドレスの裾を引っ張って、私は姿勢を正した。
エレベーターのそば、豪華なエントランスでキャストがずらりと並ぶ。VIPをお迎えする時はいつもこうだ。
今日のお客様は反社、って言ったっけ。これまで何度もそういう団体の相手をしてきたことはあったけど、女の子たちはみんなやっぱり緊張しているようだった。
しばらくすると、エレベーターが稼働する。
何回かに分けてぞろぞろとやって来た男性たちを、私たちはにこやかに迎え入れる。
刺青、火傷の痕、指が何本か短い人。
威圧的な態度にも笑顔を崩さない。
『お姉ちゃん、名前なんて言うの？』
「Aと申します。お会いできて光栄です」
早速肩を組んできた体格のいい男性に、私は穏やかな表情で微笑みかけた。
こちらからもさりげないボディータッチをすることで、お客様と心の距離を縮める。
がやがやと騒がしくなってきた店内、
未だにエレベーターから男性が何人か降りて来ているようだ。
お酒を作りながら、それとなく目をやる。
…自分の目を疑った。
彼の瞳も、私を見つめていた。
『おいおい、どうした？』
「あっ…ああ、いえ、なんでも」
慌ててお客様に視線を戻す。
サワーを混ぜる手をもう一度動かす。
だけど、彼の姿が脳裏に焼き付いて消えない。
むしろどんどん、頭の中を彼が占めていくみたいだ。
だけど確かに、目が合った。
…そして、彼もまた驚いた表情をした。
テヨン、どうして。
何故、ここに来たの。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
