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…そうだ。
所詮私が彼に近付けたのは、お金を積んだから。
そして彼もはっきりテヨンの前で言った。「お金くれるから、お返しで行為をする」って。
それでも、彼がくれた笑顔や、彼がくれた言葉
ひとときの癒し、あの暖かい眼差し
…その全てに心がこもっているって、
だからこそテンは私にあんなこと吐き捨てて、悔しそうにしながらいなくなったんだって、
そう、信じたいんだけどな。
信じたところで自己満で終わるのは明白なのに。
これから彼とどうなるか分からないし、未来のない関係なのは見え見えなのに。むしろ、未来の無い関係に始まりなんてそもそも無いのに。
それでも惹きつけられて、自分じゃどうしようもない。
ソファーの上なのに両膝を抱えて三角座りして、私は俯く。
ジェミンはくすくすと苦笑しながら、私の肩をぎゅっと抱き寄せた。
JM「…大人しく、マクヒョンのところ戻ってきなよ。みんないる、俺たちのところに」
「…」
JM「クンさんとやらもジャニさんとやらも、テンさんとやらも…わざときつい言い方するけど、みんなみんな、Aの価値やお金にしか興味が無いんだ」
「…分かってるよ」
JM「でもね。こ〜んなにもAのこと想って、自分のことより大切に考えてくれてるのは、マクヒョンしかいないんだよ」
ジェミンが至って真剣なトーンで話す言葉。
そして、あの丸く純粋な瞳が脳裏に思い浮かぶ。
「…でも、マークは…こっちの世界に来ないでほしいの、ずっと綺麗なとこにいてほしいの。…マークに甘えてばっかりじゃ、大人になれない…」
JM「大人になんかならなくていい。マクヒョンはそのままのAを抱きしめてくれるのになぁ」
「……」
ジェミンは笑いながら私にもたれ、ぐりぐりと頭を押し付けてくる。
ああ、またおかしい。
泣きたい気持ちと安心する思いが交錯して、心の中はぐちゃぐちゃになるけれど
“マーク”という名前を聞いただけで、
よく知っている故郷の香りが、胸をかすめたような気分になる。
私は意味もなくジェミンの肩をぺちんと叩いて、私も彼にもたれかかった。
…マークに連絡、返そう。
あの丸い瞳と、赤ちゃんみたいな笑顔が、今はいつもよりずっと恋しい。
ジェミンの温もりが、ありがたかった。
帰る場所なら、いつでもここにあるよ
なんて
…そんなこと、言ってくれてるみたいで。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
