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TN「…やっと見つけた」
「…テン……」
路地の角から、私たちを見つめている。
呆れたような表情で、猫のように音を立てない足取りで、私たちへ近づいて来る。
テヨンは突然現れたテンを警戒するように後退りし、ジャケットの中に手を忍ばせた。その表情は瞬時に険しくなり、…彼の職業を思い起こさせる。
私は咄嗟に声をかけた。
「テヨンア、彼は怪しい人じゃない」
TY「え…？…でも、この場所を…」
「彼は私の、」
TN「そのコはボクのだよ、お兄さん。返してくれる？」
TY「……誰だ、あんた」
TN「フフッ、しがない踊り子。お兄さんこそダレ、Aのナニ？」
私ですら唾を飲み込むような覇気を放っているテヨンに、怖気付く様子など微塵も見せず近付くテン。
テンの無邪気で勝ち気な笑顔に、テヨンもあっという間にそのペースに巻き込まれ、固まってしまったようだった。
TN「…そんなコワイ顔しないでよ。警戒されるなんて悲しいな」
TY「…」
「…テン。ここで彼に会ったこと、誰にも言わないで」
テンは私に眼差しを向ける。
…その、怒ってるとも、拗ねてるとも取れないような、不満と復讐心に満ちたような視線。
焦げるように熱くて、芳しくて、艶かしくて。
切長の瞳に、雲間から現れた月の光が輝いて
えも言われぬ美しさに息が止まりそうになる。
そういう、私を支配するような瞳に弱い。
…そんな貴方に惚れたのだから。
TN「…へえ。Aはボクよりも、このヒトを庇うんだ」
「っ…… それは、テヨンイの事情があるからっていうか…」
TY「…A、あんまり俺の名前ぺらぺら言わないでくれるかな…」
TN「アハハッ！」
…あ。
やってしまった。
テヨンが苦い表情で私の脇腹を小突く。
対照的にテンは、楽しそうな笑顔を溢した。
全く、何もかも上手くいかない。踏んだり蹴ったりな展開に、私ですら私に呆れてきちゃう。
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れいら(プロフ) - さとみさん» 大変お待たせ致しました。次章をアップ致しましたので、ぜひお読み頂ければ幸いです！ (2021年10月14日 18時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 3be0ba2d24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月21日 19時
