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TY side
「それにしても、さっきの子」
TY「え？」
「テヨンイに殴りかかってきた子。あの訛り方…中国の方から来たのかな」
いきなり呼び捨てしてくる人が嫌いだ。
いきなり馴れ馴れしくしてくる人も。
…だけど、彼女は違った。
仕事を終えてから事務所に一度戻り、また路地裏に入って自宅に帰ろうとしたけれど
麻薬の密売人や叩�納圈▲乾蹈張�が散々いると有名な路地で、売人らしき男に絡まれている女性を見つけた。
普段は依頼されたらなんの躊躇いもなく人を殺すくせに、そんな現場を放っておけないなんて
自分の中に無駄な正義感が残っているようで嫌気が差した。
だけどそんな感情だって、
彼女の瞳を見ると消え去った。
…俺と、おなじ目をしていたから。
大通りのガードレールにもたれかかって、コンビニで買ってきたお茶を飲む彼女。
名前はAと言った。
長い髪を綺麗に巻いて、耳に輝く大ぶりのジュエリー、体のラインを見せつけるような黒のミニ○○○。
鼻はすらりと通り、形のいい額は丸く、
大きな瞳は派手ながら下品ではないメイクで華やかに飾られている。
あっけらかんと自らの職業を明かした姿は、妙に生き生きとしていた。
…不思議な人だと思った。
俺は人が嫌いだし、人との関わりも苦手だけど
何故か彼女のことだけには興味を引かれた。
TY「中国訛り…か。そんなの分かるの？」
「うん。世界中から色々な人がお客さんとして来るからね」
TY「…今、香港の方から組織が入ってきてる」
「…え？」
TY「他に密入国者もごろごろいる。ここは素性の知れないやつらが好き放題やってる街だ。きっとその中の一人だろ」
「…なんでそんなこと、知ってるの」
…あ。
やってしまった。
日頃から人と話す機会が無い俺は、
久々に誰かと話せて、誰かが俺の存在を認めて対話をしてくれることが嬉しくて、
こんなにも簡単に口を滑らせてしまったようだ。
…お願い、聞き逃していて。
だけどそんな願いも虚しく、彼女はさっきまでの自信満々なのにどこか天真爛漫だった態度を変え、真剣な眼差しで俺を見上げていた。
その視線が俺の胸を、矢のように刺す。
…ずっとさっきから、彼女から目を逸らせないのはどうしてなんだろう。
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らーみょん - ログインしないでも見れるってありますか？ (2021年9月20日 23時) (
レス) id: bc990f52e8 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - WayV沼子さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んで頂いてるんですね…!!かなり毛色の違う作品ですがどちらも応援してくださって大号泣です（ ; ; ）ありがとうございます!! ルーカスはかなり主軸の登場人物となるので、今後もご期待ください(^^)♡ (2021年9月20日 19時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
WayV沼子 - 表現力、設定、どれも素敵な小説だと思っていたら、大好きな作者さんだったなんて…！感激です。これからも応援しています。大好きなルーカス出してくださりありがとうございます(涙) (2021年9月18日 1時) (レス) id: 2887d301bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月14日 23時
