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情事を終えると、酔いのせいもあって体力が尽きたのか、少しの会話をしたあとユウタくんは眠りについた。
彼が見せる穏やかな寝顔を眺める。
じんわりとこの胸に湧き上がる気持ちは、どこか母性にも似ているような気がするんだ。
…愛おしい、なんて
とっくに私の中から抜け落ちた、がらくたみたいな感情なのに
ユウタくんの長い前髪を撫で、頬を撫で、
そっと額に口づけをすると、また胸が熱くなる。
こうしてばかりもいられない。
私はするりと布団から抜けた。
すぐ戻ってくるね、と心の中で囁きながらも
ユウタくんのタバコを下のテーブルに置きっぱなしにしてきたことを思い出して、私はベッドの下に脱ぎ捨てられた衣服をもう一度身につける。
エレベーターで階下に向かえば、小一時間前までの喧騒は嘘のように、しんと静まり返ったフロア。
テーブルに置いてあったユウタくんのタバコを手に取ると、ふと私は無人のカウンターに人影があることに気付いた。
そして、それが見覚えのある顔であることも。
「…ジェノ！？」
JN「っ……わ、びっくりした…！いきなり名前呼んだりするから！」
広い肩をビクッと震わせたジェノ。
すぐに三日月のような目で幼く笑い、「隣座りなよ」と私をカウンターに誘った。
ジェノは高校の同級生だ。
彼もまた、地下格闘技のファイターとして暴力団に片足を突っ込んでる。
「…女の子と部屋、行かなかったの？さっきのおじさまたち、みんな行ったんでしょ？」
JN「ああ、まあ… 俺あんまりこういうの興味無くて」
「ふふっ…昔から変わらないね」
JN「そう？」
「うん。変わらないからなのかな。ジェノといると安心する」
JN「誰にでもそんなこと言ってるんだろ〜」
そう言って無邪気に笑うジェノを見ると、
…私ってもう、何を言っても“そんな風”にしか見てもらえない身なんだなと痛感する。
だけどそんな表情は顔に出さない。
いつ何時も微笑みを絶やさないのは、絶やせないのは、もはや職業病なのだろうか。
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らーみょん - ログインしないでも見れるってありますか？ (2021年9月20日 23時) (
レス) id: bc990f52e8 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - WayV沼子さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んで頂いてるんですね…!!かなり毛色の違う作品ですがどちらも応援してくださって大号泣です（ ; ; ）ありがとうございます!! ルーカスはかなり主軸の登場人物となるので、今後もご期待ください(^^)♡ (2021年9月20日 19時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
WayV沼子 - 表現力、設定、どれも素敵な小説だと思っていたら、大好きな作者さんだったなんて…！感激です。これからも応援しています。大好きなルーカス出してくださりありがとうございます(涙) (2021年9月18日 1時) (レス) id: 2887d301bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月14日 23時
