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ドアを開ければ、たちまち漂うムスクの香り。
暗い照明の中でもわかるほど豪華絢爛に飾られた部屋の中央には、大きなベッドがただ一つ。
非日常的な空間で、肉体への快感と心への愛情を売ることが私の仕事だ。
彼の手を引いて、シルクのシーツへ誘う。
ふと振り向けば、ジェヒョンはいつものように穏やかな笑みを口元に浮かべていた。
JH「今日はプロデューサーまで会に連れて来てごめんね。話の相手、大変だったでしょ」
「ううん。面白い人だったよ。食事も美味しく頂いたし。…ジェヒョニの顔は、引きつってたけど…」
JH「あははっ… だって俺、あの人苦手なんだよ。事務所に“来季のドラマの主演取るには綺麗で話の上手い女性を飲みの席に連れてけ”って言われたからやっただけで…」
「だけど一流俳優たるもの、どんな状況においても表情は崩さないべきじゃない？」
JH「…Aが言うのは説得力が違うね」
「ふふ、どういうこと？……っ、」
触れた、ふっくらとした唇。
端正な彼の顔の形を確かめるように頬に手を当てると、ジェヒョンは角度を変えて何度も唇を吸う。
やがて柔らかな舌が自然に絡まり合うと、ジェヒョンは優しく私を押し倒した。
長いキスの果てにジェヒョンが起き上がると、
彼は私のミニドレスのジッパーを下げながらも、どこかいつもと違った様子で私を見つめた。
まるでドラマに出てくるような、…いや、実際にドラマに出てる人なんだけど。
一般人とはかけ離れた整った目鼻立ちが照明に優しく照らされる。
どこか、夢心地に揺られる。
この国にいる殆どの女性が憧れるような彼を独占している感覚に、正直 心が躍る。
私の長い髪に指を通しながら、
ジェヒョンは至って普通の話題を口にするように、話し始めた。
JH「A」
「…うん？」
JH「…この店辞めて、俺のところ来ない？」
「…え…？」
ジェヒョンは私の背中にその大きな手を当て、私を抱き起こす。
深い茶色の髪をかき上げ、国民的人気俳優は、いち風俗嬢に向けるにはありえないほどの優しく、そしてどこか照れた微笑みを見せた。
JH「なんて言うんだろうね。ここのオーナーにAが引退まで働いて稼げるくらいの金払えば、辞めさせてもらえるのかなって。で、俺のところ来ないかなって」
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らーみょん - ログインしないでも見れるってありますか？ (2021年9月20日 23時) (
レス) id: bc990f52e8 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - WayV沼子さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んで頂いてるんですね…!!かなり毛色の違う作品ですがどちらも応援してくださって大号泣です（ ; ; ）ありがとうございます!! ルーカスはかなり主軸の登場人物となるので、今後もご期待ください(^^)♡ (2021年9月20日 19時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
WayV沼子 - 表現力、設定、どれも素敵な小説だと思っていたら、大好きな作者さんだったなんて…！感激です。これからも応援しています。大好きなルーカス出してくださりありがとうございます(涙) (2021年9月18日 1時) (レス) id: 2887d301bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月14日 23時
