・ ページ26
.
YT「ずっと、憧れて。ずっと遠くから、眺めてた。今でもあの頃の景色、感情、覚えてるんだよ。いつかあのひとに追いつきたい、その手を取りたい、って」
「…」
YT「アイドルとしても人としても、Aはずっと…Aが思うよりずっと、俺の憧れだった。だから、頑張れた。もっと俺は、彼女に相応しい男になれるはずや、って。そして、その時は絶対振り向かせて、その笑顔を抱きしめるから、って」
「…そんなこと、思ってたの…？」
YT「ふふっ、そう。俺がどれだけAのことばっか考えてたのか、知らんやろ？(笑)」
「…知るわけないでしょ。(笑)」
YT「あははっ、でもな。…今はもっと、ずっと。Aのことばっかり、想ってるんやで」
そう言うと、
悠太は私の手をぐっと引き寄せた。
…また抱かれる。
しっかりとした腕と胸板、爽やかな香りの中へと。
その、あたたかな腕の中へと。
強引で男前な仕草に、私の心拍数はどうして上がるんだろうか。
…どうやら悠太が言ってたことは、本当らしい。
私をいつか振り向かせるくらい、いい男になるって。
YT「…だからさ、嬉しかった。今日…」
「…え？」
YT「…俺を見た時のAの瞳。もうめちゃくちゃ可愛かったわ。ほっぺ赤くて、ぽーってなってて、めちゃくちゃ俺に見惚れてたやんか(笑)」
「うるさい！！！！そんなことない！！！！断じて！！！！！」
YT「嘘つけー！！(笑)」
…ああ、悔しい。
なんで見破られていたんだろう。
悠太の胸を突き放す時、その筋肉にまた無駄なときめきを覚えてしまう自分も、悔しい。
余裕たっぷりに微笑んで私を宥めるような、そんな彼の仕草だって悔しい。
一番よく知ってる弟だからこそ、
…男性としての魅力を感じてしまうことが、とってもとっても悔しいの。
悠太が私を抱き寄せようとするから、あまのじゃくな私は抵抗して、結局二人で笑い合いながら、どたばたとベッドの上ではしゃぐ。
こんなに悠太の笑顔は可愛いのに、力はやっぱり男だ。手加減してほしい。
それに、なんだかんだ露わになってる二の腕の筋肉に目線が行ってしまう私、もうほんっとに浮かれるのもいい加減にして。(笑)
すると、
「もう、やめっ… きゃっ！！」
YT「うわっ…」
不意を取られた私は、ベッドに倒れ込む。
悠太はそれに覆い被さるように、
…まるで私の肩をベッドに押し倒すように、バランスを崩した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - なちゃんさん» コメントありがとうございます!!前回迄に募集していたリクエストを書き終わったら書かせていただきますね！(^^)お気遣いありがとうございます（ ; ; ）これからもご愛顧のほど宜しくお願い致します♪ (2021年6月22日 17時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
なちゃん - いつもお話楽しく読ませて頂いてます！リクエストしたいのですが、たまには紅一点ヌナがジェミンに甘えてみたお話読んでみたいです。お時間あるときに余裕があればぜひお願いしたいです＾＾次のお話も楽しみにしてます！ (2021年6月22日 11時) (レス) id: 0aebfe8a84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2021年6月20日 0時
